50代以降の、股関節痛で歩行が辛いという患者様の中でも、レントゲン、CT、MRIなどの画像所見で股関節の重度の変形が認められる場合(変形性股関節症や大腿骨頭壊死などが多い)は人工股関節置換術が薦められます。当科ではできるかぎり侵襲を少なくした最小侵襲手術(MIS)にて人工股関節置換術を行っております。
可能な限り術後早期からのリハビリが可能で、脱臼リスクが非常に低い前方進入法または前側方進入法による手術を行っております。このため術後の痛みの軽減と早期からのリハビリと早期の退院が可能であり、正座などの和式生活への制限もほとんどなく、患者様の満足度も高いです。さらに患者様の病状によっては、両股に対しての同時人工股関節置換術も行うこともあります。
人工関節手術ではクリーンルームを使用しています。術者も滅菌されたヘルメットつきガウンを使用することにより、手術野を最大限に清潔に保つことが出来、術後の感染の予防に努めています。
高齢者で膝関節に痛みがあり、歩行時痛や階段の昇降時に痛みがひどくなる場合では、変形性膝関節症が高頻度にみられます。
日常生活に影響を及ぼすような症状が続く場合は人工膝関節置換術の適応となります。その場合、膝のレントゲン検査だけではなく両下肢全長のレントゲンを撮影し下肢全体の変形の有無もチェックして、患者様一人一人に合う最適な手術術式を選択します。
術後の痛みを極力おさえ、スムーズにリハビリテーションが行えるように努めています。また、術後の疼痛の軽減のため関節周囲カクテル療法などを行っています。
術後の肺血栓症の予防のため、抗凝固剤の投与および術後早期の運動開始を行います。できるだけ早期の社会復帰を図っています。
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
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総手術数 | 1,146例 | 1,162例 | 1,044例 | 1,018例 | 1,078例 |
人工股関節置換術 | 102例 | 110例 | 81例 | 94例 | 142例 |
人工膝関節置換術 | 100例 | 117例 | 96例 | 115例 | 121例 |
人工肩関節置換術 | 27例 | 16例 | 18例 | 13例 | 22例 |