当院でのロボット支援手術の現況
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当院でのロボット手術の現況
1.新中央棟手術室でのロボット支援手術の実際
現副院長である西松が当院に赴任してから始まったロボット支援手術(2014年~)ですが、病院同愛記念病院のロボット支援手術実施数2021年9月で累計500例を数え、2023年6月には700例を実施いたしました。当院の手術症例や件数の推移に関しては手術外来統計のPDFファイルをご参照ください。
- 西松個人で累計500例達成
- 同愛記念病院 累計500例達成
私個人で500例以上の経験がありますが、当科医局員(泌尿器科学会指導医3人、腹腔鏡手術技術認定医2人、ロボット手術プロクター2人の指導の下に)も積極的に取り組んでおります。 手術の詳細についてはそれぞれのご説明書をご参照願います。中央棟の新しい手術室への移行も順調に進み、現在当院では、前立腺全摘除術(RARP)、根治的腎摘除術(RARN)、腎がんに対する腎部分切除術(RAPN)、根治的腎尿管全摘除術(RANU)、根治的膀胱全摘除術(RARC)、腎盂尿管移行部狭窄に対する腎盂形成術(RALP)の6種類の術式が当泌尿器科で保険診療として施術が可能です。手術の詳細はそれぞれのご説明の書類に記載しておりますのでご参考になさってください。
新中央棟手術室でのロボット支援手術の実際
当院で行われているロボット支援手術術式について
当科で行われている、ロボット支援前立腺全摘手術や腎部分切除はビデオをございますので参考になさってください。
2014年から当院ではロボット支援手術(ダビンチ)を導入しています
2014年から当科ではロボット支援手術を導入しております。導入当時のシステムはSでしたが、 システムはXを経て2023年10月からはXiに更新されています。
1.ロボット支援手術とは?
腹腔鏡手術、今や外科の基本手術となっています。気腹圧により出血が少ない、傷が小さいという腹腔鏡の特徴を活かして、これにロボットによる従来困難とされていた角度での視野の確保や、関節のある鉗子で緻密かつ大胆な動きを可能にした手術がロボット支援手術です。その技術特性と操作性は患者さんや医療スタッフにとっても大きなメリットがあり、概要を図1に示しました。現時点で薬事認可を受けているロボット支援手術器具はIntuitive Surgical社製の、da Vinci Surgical system(以下、ダビンチと略します。)です。
図1
da Vinciサージカルシステムについて
2.前立腺癌におけるロボット支援手術の現状
前立腺がんのダビンチ手術は、国内ではまだ限られた施設でしか本格的に導入はすすんでいませんが、アメリカでは前立腺がんの90%近くがダビンチ手術で行われ、すでに標準的な治療法として確立されている手術で、世界では2012年実績で450,000例のダビンチ手術が行われています。
3.同愛記念病院におけるロボット導入の経緯と1例目実施
導入以降着実に準備を進めてきました(図2)、先日、6月24日に1例目の前立腺全摘手術が無事終了することができました。患者さんの術後経過も良好です(図3)。
図2
- ダビンチが同愛記念病院に到着。
- (左より)佐野事務部長、前田副院長、平野中央手術室部長、ME大橋主任および泌尿器科スタッフ。
図3 6月24日記念初のロボット支援手術
- ペイシエントカートと術野
- サージャンコンソール
泌尿器科での前立腺癌手術から始まった同愛記念病院でのロボット支援手術ですが、今後は外科系診療科全体で横の協力体制を深めて同愛記念病院の外科部門治療の発展と向上に努めていきたいと思います。