令和元年度 社会福祉法人同愛記念病院財団同愛記念病院 臨床指標

◆臨床指標(クリニカルインディケーター)とは、病院の様々な機能を適切な指標を用いて表したものであり、
 これを分析し、改善することにより医療サービスの質の向上を図ることを目的とするものです。
◆平成28年度の臨床報酬改正では、DPC制度(診断群分類による1日当たりの定額報酬制度)(注1*
 に基づいたDPCデータを公表することが義務付けられております。
   (注1)DPC(診断群分類別包括制度)は、DPC(Diagnosis Procedure Combination)の略で、
    医師が決定した主病名に基づき、入院患者さんの一連の医療行為を、国で定めた
    1日あたりの定額の点数から入院医療費を計算する制度です。
◆指標の主な定義
 ・令和元年度(令和元年4月~令和2年3月)に当院の一般病棟を退院された患者さんのデータが対象になります。
 ・厚生労働省へ提出しているDPCデータを基に作成しております
 ・10未満の数値の場合は、ー(ハイフン)を記入しています。(患者さんが特定される可能性があるためです。)
 ・DPC臨床指標の公開にあたり、医療機関ホームページガイドラインを遵守しております(補足1*)。
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数
  4. 4成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別症例数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および術前・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 876 259 357 430 600 894 1373 2419 1761 458
令和元年度のDPC対象の全退院患者数は9,427人と前年度比520人増加で、全年齢階級において+10%でした。当院の入院患者さんは60歳以上の占める割合が高く、全体の64%を占めています。60~70歳代では、狭心症などの虚血性心疾患や泌尿器科領域での炎症性・腫瘍性疾患、変形性関節症や骨折例が多く、80歳代以降では誤嚥性肺炎などの下気道炎症性疾患や心不全疾患が主体となっております。令和元年度は特に、膝関節症に対する人工関節再置換術、産婦人科領域での腹腔鏡下手術、大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術、慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下鼻・副鼻腔手術等、手術症例が増加しているのが特徴です。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病なし - 19.67 12.58 - -
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし - 41.00 17.71 - -
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし - 43.14 20.84 - -
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)手術なし  手術・処置等2-なし 定義副傷病なし - 22.60 13.48 - -
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1-なし  手術・処置等2-なし - 43.80 14.62 - -
当科は、当院におけるゲートウェイの役割を担っているため、疾患分類も多岐にわたります。令和元年度のおいては感染症(腎・尿路・肺炎)・心不全・高齢者医療(肺炎・認知症)・がん(末期)などの扱いがありました。
アレルギー科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
040110xxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2-なし 26 20.50 18.84 0.00% 74.96
040100xxxx00x 喘息 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 25 10.16 6.64 0.00% 58.80
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)手術なし 手術・処置等2- なし 定義副傷病なし 23 12.09 13.48 0.00% 85.04
0400801299x000 肺炎等(市中肺炎かつ15歳65歳未満)手術無し 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 15 6.13 8.53 0.00% 41.27
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 14 23.50 20.84 7.14% 83.71
1.間質性肺炎:喫煙・大気汚染など様々な要因により、肺の構造物(スポンジ状の組織)に慢性の炎症が生じ、その結果肺組織が緩徐に硬くなっていく原因不明の疾患です。以前は稀な疾患でしたが、近年は国内に約11万人の患者さんがいるのではないかと推測されています。病気が進行すると労作時息切れが生じます。そのため酸素ボンベが自宅に必要となる患者さんもおられます(在宅酸素療法)。現時点で非常に有効な治療薬はなく、経口ステロイドなどの抗炎症薬、免疫抑制薬と進行を遅らせるお薬(=抗線維化薬)がある程度です。当院では個々の患者さんのご病状に合わせて薬剤投与や酸素療法など適切な治療介入を導入することにより、患者さんの生活の質の向上に努めております。
2.喘息:気管支の内壁にアレルギー性の炎症が生じてその結果気道が狭くなり呼吸困難などを来す疾患です。発症年齢は小児から高齢者まで幅広く、国内には数百万人の患者さんがいるものと推定されています。適切な治療を行わずに放置しておくと、気道炎症が遷延して次第に呼吸機能が低下してしまいます。適切な抗炎症治療としての吸入ステロイド薬や気管支拡張薬・ロイコトリエン拮抗薬・テオフィリン薬などを 組み合わせて治療することで、良好なコントロールの実現が可能です。それでもコントロール不十分な場合、近年では生物学的製剤が複数使用可能となり、重症な患者さんに対しても治療方法が増えています。患者さんの症状やデータに合わせて治療方法を選択し患者さんの生活の質の向上に努めております。
3.肺炎:肺炎は、若年者から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんが罹患されています。 主として、空気中に漂う病原菌が呼吸により偶発的に肺内に吸い込まれることにより感染が成立します。 高齢化社会の到来とともに、高齢者の死因として現在も増加傾向にあります。治療は、抗生物質の点滴が中心となります。低酸素が認められる際には酸素吸入も行われます。当院では、受診当日に予約なしですぐに胸部CTが撮影できます。加えて喀痰の顕微鏡検査なども当日中に速やかに行うことができますので、迅速に診断して治療を開始することが可能です。そのため、平均在院日数は全国平均を下回っています。また、65歳以上の高齢者を対象に肺炎球菌ワクチンの予防接種も行っています。
4.誤嚥性肺炎:嚥下機能が衰えた高齢者や、脳血管障害などで嚥下筋に障害がある患者さんなどに起きる肺炎です。食事の際に食物をむせてしまい、その結果異物が入った肺に炎症が起こります。近年の高齢化社会の中で著しく増加している疾患です。治療は主として抗生物質の投与であり、必要に応じて酸素吸入などを行います。当院では地域の基幹病院として、近隣にご在住の誤嚥性肺炎の患者さんは積極的に受け入れております。治療後にご病状が落ち着きましたら、誤嚥の再発防止策を行い自宅(訪問診療)・老人ホームなどの施設へとお戻りいただく手伝いをさせていただきます。
5.悪性腫瘍:喫煙・大気汚染など様々な要因により、肺に生じる悪性の腫瘍(=がん)です。高齢化社会とともに患者数が増えており、現在発症・死亡ともに日本人で最も多いがんです。初期は無症状のことが多いので、早期発見には胸部レントゲンなどによる定期検診が重要です。病気が進行すると、咳嗽・血痰・呼吸困難や転移した臓器に基づく症状(例:骨転移による疼痛など)が生じます。治療法には手術・放射線治療・化学療法(抗がん剤)があります。当院には呼吸器外科がありませんので手術が可能な症例は近隣の病院に紹介しております。手術以外の治療は当院での施行が可能です。個々の患者さんのご病状に合わせて適切な治療介入を導入することにより、患者さんの生活の質の向上に努めております。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1-あり 372 1.02 2.15 0.00% 3.48
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1-なし 162 1.05 2.48 0.00% 7.09
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g 以上)手術なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 126 7.37 6.17 3.17% 0.00
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2-なし 定義副傷病ない 36 5.06 6.64 2.78% 2.83
040090xxxxxx0x 気管気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病なし 36 5.86 6.19 0.00% 1.08
1.食物アレルギー
食物アレルギーは近年増加傾向にあり、その確定診断として行われる「食物経口負荷試験」の件数も増加しています。保険診療として9歳未満の患者に対して年に2回まで算定が認められているため、その基準に満たす場合は「処置あり」、9歳以上または年3回以上になると「処置なし」に分類されます。令和元年度は「処置あり」が372人(前年度-12人)、「処置なし」が162人(前年度+44人)でした。これは9歳以上または3回以上の経口負荷試験が増加した結果であり、経口負荷試験の入院は全体で534人と32人増加しました。
2.妊娠期間短縮、低出生体重に関する障害
妊娠期間37週未満の早産児、出生時体重2500g未満の低出生体重児、妊娠糖尿病や甲状腺疾患合併妊娠からの出生児などは、新生児仮死、低血糖、呼吸障害、病的黄疸などを生じるリスクが高いため、小児科入院児として管理しています。また出生後、感染症、呼吸障害、低血糖、病的黄疸などを呈した軽症から中等症の新生児に対しても入院加療を行っています。小児科入院となった病的新生児は126人で前年度40人増加し、母体の高齢化や合併症の増加が影響していると考えられます。また中等症~重症の新生児は地域周産期センター(NICU)へ転院搬送しており、その割合は3.17%とやや低下し重症の呼吸障害が減少した影響と考えられます。
3.喘息
喘息発作による小児の入院件数は診療ガイドラインの普及や長期管理薬の開発などにより全国的に減少しており令和元年度も入院数はほぼ横ばいですが、やや低年齢化し乳児喘息が増加している傾向があります。
4.下気道感染症(急性気管支炎、肺炎など)
令和元年度は冬期のRSウイルス、インフルエンザウイルスの流行が例年より減少したため、呼吸器感染症による入院数は減少しました。COVID-19対策による他のウイルスの流行抑制効果やウイルス感染の干渉作用が影響したものと推測されます。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリー プ・粘膜切除術 定義副傷病なし 118 2.36 2.63 0.00% 69.94
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 80 5.28 4.85 0.00% 70.59
060040xx99x60x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術無し 手術・処置等2-6あり 定義副傷病なし 66 4.05 4.36 1.52% 73.47
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等 2-6あり 定義副傷病なし 55 4.11 4.40 1.82% 71.02
060040xx99x8xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術無し 手術・処置等2-8あり 49 4.00 4.55 0.00% 68.51
当科が扱う疾患は、ヘルニア、胆石症などの良性疾患から大腸がん、胃がん、食道がん、乳がんな どの悪性疾患まで幅広く、対象とする臓器は大腸、小腸、胃、食道、肝臓、胆嚢、膵臓、乳腺、肛門疾患と広範囲にわたっています。手術の特徴としては、低侵襲手術としての腹腔鏡 手術や内視鏡手術を積極的に行っています。また、手術前後の化学療法、放射線治療も行っており、根治的手術の達成と再発リスクの減少、予後の延長を目指しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
160620xx01xxxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。)腱縫合術等 102 14.08 14.10 0.00% 22.93
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)人工関節再置換術等 102 26.92 23.56 2.94% 75.24
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)人工関節再置換 術等 95 18.86 21.53 2.11% 68.43
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり 58 5.59 5.54 0.00% 55.55
070050xx97xxxx 肩関節炎、肩の障害(その他)手術あり 56 21.29 22.91 0.00% 70.11
当科では膝前十字靭帯損傷に対する関節鏡下靭帯再建術、変形性股関節症に対する人工股関節置換術、変形性膝関節症に対しての人工膝関節置換術を数多く行っています。サッカー、ラグビーや柔道選手では、しばしば膝前十字靭帯を損傷したことで競技人生が送れなくなってしまうケースがあります。このような患者さんに対しては、関節鏡下に靭帯を低侵襲で再建することにより膝関節が安定し、競技復帰が可能と なります。さらにスポーツ選手には手術後のリハビリテーション計画をしっかり立て、競技復帰まで細かいケアを行っています。股関節の軟骨がすり減り、股関節を構成する骨にも変形が生じると、痛みのため歩行が困難となり日常生活にも支障をきたします。人工股関節置換術を行うことにより痛みから解放され、股関節の動きもよくなり、痛みなく歩行可能となります。膝関節の軟骨がすり減って変形が著明となり歩行困難となる変形性膝関節症に対しても、人工膝関節置換術を行うことにより膝関節の変形が改善し、痛みなく歩行可能となります。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。)四肢・躯幹軟部腫瘍 摘出術等 手術・処置等1-なし 定義副傷病なし 11 4.18 5.41 0.00% 53
070395xx971xxx 壊死性筋膜炎 手術あり 手術・処置等1-あり - 72.33 64.88 - -
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし - 3.13 5.26 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出)等 手術・ 処置等1-なし - 2.71 4.01 - -
100100xx97x1xx 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2-あり - 33.00 48.04 - -
当科では、体表面の外傷、潰瘍、腫瘍など幅広く治療しています。主病名では糖尿病・虚血による壊死性筋膜炎・足潰瘍が実際には最多ですが、DPCコードでは細分化されるため、分類上下位となっています。その他、脂肪腫などの骨軟部良性腫瘍、鼻骨骨折などが上位になります。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下膣式子宮全摘術等 55 5.91 6.09 0.00% 43.09
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 54 3.02 5.59 0.00% 33.50
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 38 3.08 2.90 0.00% 40.74
120100xx02xxxx 子宮内膜症 腹腔鏡下膣式子宮全摘術等 24 6.46 6.57 0.00% 37.13
120140xxxxxxxx 流産 18 2.17 2.51 0.00% 33.56
令和元年年3月から本格的に腹腔鏡手術、子宮鏡手術を導入し、婦人科良性腫瘍の約9割は同手術を行っている。手術創部が小さく社会復帰も早いため、患者さんのニーズが高く、症例数も着々と増加している。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 93 1.84 2.78 0.00% 76.78
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり - 1.33 5.09 - -
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり - 2.00 5.95 - -
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当科では、眼表面の角結膜疾患、白内障、緑内障、虹彩炎・ぶどう膜炎を始め、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性等の眼底疾患に対して幅広く診察と治療を行っています。その中で最も多い疾患は白内障で、手術を受ける方のみ入院して頂いています。
耳鼻咽喉科
ar
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 45 5.31 6.80 0.00% 54.67
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 36 5.28 5.45 0.00% 37.19
030240xx01xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 276.74 7.76 0.00% 35.67
030428xxxxxxxx 突発性難聴 19 9.95 8.93 0.00% 53.68
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 18 4.22 5.01 0.00% 68.06
入院加療の主体は、内視鏡下鼻・副鼻腔手術を目的とした炎症性鼻副鼻腔疾患(慢性副鼻腔炎)で、4泊5日程度の短期入院で加療しています。
一方、急性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍では、重度の咽頭部痛・嚥下時痛により経口摂取・飲水困難からの脱水を来すことが多く、他医療機関からの入院要請に対応しています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 77 7.53 9.00 0.00% 65.56
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1-なし 71 9.52 12.55 0.00% 63.34
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1-なし 13 2.15 4.01 0.00% 50.46
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹 手術・処置等1-なし - 10.33 10.81 - -
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 手術なし - 6.00 3.92 - -
当科では、ほぼ全ての皮膚疾患に対応しております。蜂窩織炎や丹毒などの急性膿皮症あるいは顔面頸部発症の帯状疱疹などの場合は、入院加療としています。皮膚腫瘍は出血の可能性が高い部位、切除面積が大きい場合などでは入院の上切除を行い、創部の状態が安定してから退院いただいております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1-なし 定義副傷病なし 221 4.66 5.61 0.00% 58.49
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1-あり  定義副傷病なし 177 3.06 2.49 0.00% 70.15
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-2あり 定義副傷病なし 82 7.37 7.25 0.00% 73.93
110420xx02xx0x 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 定義副傷病なし 67 3.45 4.22 4.48% 71.42
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 58 12.33 12.18 0.00% 70.50
最も多いのは尿路結石への外科治療で、尿道から内視鏡を尿管や腎盂まで挿入して破砕除去する治療です。閉塞を解除することで腎機能を回復させ、感染を制御します。2番目は前立腺がん診断目的に行う前立腺針生検検査です。3番目は膀胱がんに対して尿道から内視鏡を挿入して切除し、直後に抗がん剤を膀胱内注入する治療です。4番目は結石や狭窄で閉塞した尿路により水腎症となるので、尿管ステントを留置して尿路を開放する治療です。5番目は前立腺がんに対してロボットを用いた腹腔鏡下での前立腺全摘除手術です。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 169 14.89 17.71 0.59% 80.70
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処 置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 168 3.70 4.40 0.60% 68.45
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-2あり 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 125 3.63 3.15 0.00% 70.86
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 92 3.50 3.01 1.09% 65.07
050180x02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 81 1.35 2.78 0.00% 71.02
心臓は、全身に血液を循環させるポンプの働きをしている臓器です。狭心症や心筋梗塞では、心臓に栄養や酸素を供給している冠動脈という血管が動脈硬化により狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして血液の流れが悪くなり、心臓に栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなる疾患です。狭心症は、心臓の筋肉の血流不足によって胸苦しさや息苦しさが出現し、そして心臓の筋肉に血流が行き渡らなくなった状態が急性心筋梗塞であり、心臓のポンプ機能が低下して命に関わる危険な疾患で、緊急治療が必要です。当院では、今後も積極的に狭心症や急性心筋梗塞に対するカテーテル検査・治療を行っていく方針です。また、今後は高齢者の増加に伴い、心不全患者数がより増加することが予想されます。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2-無し 定義副傷病なし 21 3.52 8.48 0.00% 70.24
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1-無し 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 20 7.40 11.67 0.00% 70.60
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 19 5.68 9.96 5.26% 77.42
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病なし 17 10.29 12.58 5.88% 70.59
110290xx99x00x 急性腎不全 手術なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 14 17.43 13.55 7.14% 75.36
当科に入院する症例は、慢性腎臓病を基礎疾患に持つ患者さんの合併症(感染症など)治療や、腎機能障害が進行して血液透析が必要となった症例に対する血液透析用の内シャント造設、適切な時期での血液浄化療法導入目的が主体となっています。また何らかの理由により突然腎機能が低下してしまう(急性腎障害)症例に対しても、当科で入院加療を行い原因検索、腎機能障害の改善を図っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等2-4あり 定義副傷病なし 47 16.79 20.30 0.00% 82.43
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等2-4あり 28 8.61 10.43 0.00% 83.54
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2-4あり 定義副傷病なし 28 19.04 15.79 0.00% 75.46
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2-2あり 26 33.54 39.36 0.00% 71.65
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2-4あり 定義副傷病なし 14 36.21 31.30 0.00% 79.21
当科で一番多いのは、輸血を必要とする骨髄異形成症候群の治療です。脱メチル化剤の皮下注射による治療や輸血による支持療法を行います。2番目は輸血を必要としない骨髄異形成症候群の治療です。3番目は悪性リンパ腫の化学療法です。4番目は急性白血病の化学療法で、無菌室を利用することも多い治療です。5番目は輸血を必要とする悪性リンパ腫の治療です。骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫では、初回治療を入院で行った後、可能であれば2回目以降は外来化学療法に繋げます。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病なし 253 2.21 2.63 0.00% 66.91
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 46 8.04 9.79 0.00% 77.17
060100xx01xx1x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病あり 44 3.32 3.57 0.00% 75.16
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 43 7.95 7.65 0.00% 67.58
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(そのた良性疾患)手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病なし 29 5.83 7.42 3.45% 66.17
入院症例で最も多い疾患は下部消化管ポリープ(腺腫、良性疾患)で、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を積極的に行っています。外科的切除手術に至る前に早期発見し低侵襲治療を行うことが目的で、在院日数の短縮も図っています。次に、胆管結石や胆管炎、閉塞性横断での入院も積極的に受け入れています。やはり低侵襲な内視鏡的検査(内視鏡的逆行性胆管造影/ERCP)やステント留置、内視鏡的乳頭切開術(EST)やバルーン拡張術(EPBD)による結石除去を主に行っています。3番目は、前述した下部消化管ポリープで何らかの合併疾患を持ち、例えば抗血栓薬休薬や変更下に内視鏡治療を行う症例です。副傷病のない場合に比べ若干在院日数が伸びています。4番目は、結腸憩室に起因した炎症・出血等です。重症化し腸管穿孔等で外科手術に至る前に保存的治療を行ったり、内使用を用いた止血術を行ったりします。概ね1週間の入院日数となっています。続いて、感染性腸炎その他の消化管疾患での入院も多くあり、腸管安静・補液等の保存的治療が主に行われます。
糖尿内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス掲載の有無
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)手術なし 手術・処置等2-1あり 定義副傷病あり 23 11.48 12.20 0.00% 65.35
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)手術なし 手術・処置等2-1あり 定義副傷病なし 10 12.7 13.72 0.00% 67.80
100070xx99x010 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)手術なし 手術・処置等2-なし 定義副傷病あり 10 10.7 11.68 0.00% 60.10
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置2-なし 定義副傷病なし - 12.57 13.41 - - -
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。)手術なし 手術・処置等2-1あり 定義副傷病あり - 13.67 14.74 - - -
2型糖尿病の患者さんの教育入院および血糖コントロール目的の入院が多く、その他1型糖尿病や妊娠糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシスの入院加療も行っております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
  Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明 再発 病期分類基準 版数
胃癌 30 13 15 15 28 19 1 7
大腸癌 27 33 59 93 14 169 1 7
乳癌 - - - - - 14 1 7
肺癌 - - - 17 - - 1 7
肝癌 - - 11 - - - 1 7

*病期分類基準:1 UICC病期分類

5大がんの中では大腸がんや胃がんの消化器がんが全体の80%を占めています。令和元年度の特徴は、胃がんが前年度比+45%と増加していることで、その主体はStageⅠ・Ⅱの早期がん症例に起因しておりました。手術・抗がん剤・放射線治療等、集学的治療を行うと共に、低侵襲性手術としての腹腔鏡下手術や内視鏡治療を積極的に行うことで在院日数を短縮し、再発リスク減少を目指します。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
重症度 件数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 20 8.1 45.75
重症 30 15.93 85.73
中等症 123 17.75 81.68
超重症 - - -
不明 0 - -
令和元年度の成人市中肺炎入院総患者数は約180人と、前年度と比較して-40%でした。中等症症例の著しい減少に比して、全体の70%を占める重症症例が前年度比+80症例と増加している点が令和元年度の最大の特徴です。平均年齢は、軽症では46歳、中等症は86歳、重症は82歳なっており、成人市中肺炎は高齢者において重症化しやすい傾向は変わりません。平均在院日数は重症度に係わらず、短縮しておりました。治療は、急性呼吸不全の管理、適切な抗菌薬投与が中心です。重症例では酸素呼吸や人工呼吸管理(人工呼吸器、NPPV、ネイザル・ハイフロー等)が必要となることがあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均
在院日数
平均年齢 転院率
3日以内 0 - - -
その他 18 14.89 72.28 22.22%
令和元年度の脳梗塞症例は18名で、全て発症後4日以降での入院加療でした。当院では神経内科医の常勤医が不在であるため、脳梗塞の診断後は速やかに脳血管内治療専門医の常駐する基幹病院との連携を図り、対応しております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - 2.67 34.00 - -
K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 - 0.50 96.50 - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - 61.00 37.00 - -
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安狭心症) - 39.50 32.50 - -
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) - 0.00 64.50 - -
当科での処置には特徴的なものはありませんが、術後の経過観察などで他科との関わりがあります。血管形成術(冠動脈・四肢)や経皮的腎瘻造設術が多かったです。また、嚥下機能回復が早期にみられない長期療養が予測される場合の栄養管理目的に、中心静脈注射用埋込型カテーテル設置を外科依頼にて行っています。
アレルギー科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設 術を含む) - 92.50 141.50 - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - 1.00 18.00 - -
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) - 3.00 4.00 - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - 48.00 20.00 - -
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) - 0.00 131.00 - -
1.胃瘻造設術:高齢・脳血管障害・パーキンソン病等が原因で、食べたものをむせてしまう患者さんに、十分な栄養を補給させていただくために選択することがある手術です。胃カメラにて胃の場所を確認後に腹壁の皮膚を消毒・局所麻酔して専用の管を体外から胃の中まで通します。これで液体状の栄養剤を胃まで流し込むことができます。誤嚥性肺炎の予防効果も期待できますが、最近は延命治療の一環として必要性の有無を十分に検討してから行われる傾向にあります。
2.経尿道的尿管ステント留置術:主に尿路結石や尿路感染、悪性腫瘍等により尿路が閉塞すると腎臓の機能が悪化するため、尿路にステントという管を留置して尿路を保つ治療を行います。
3.内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上):下血や貧血症状をきっかけとして大腸ポリープが発見された症例に対して、内視鏡を用いて切除する手術を行います。
4.中心静脈注射用埋込型カテーテル設置(頭頸部その他):胃瘻と同様に高齢や脳血管疾患やパーキンソン病などで食べたものをむせてしまう患者さんに栄養を補給するため、また点滴や手や足に確保しにくくなっている患者さんに安全に点滴を行うために中心静脈にカテーテルという管を挿入し、入り口を皮膚の手前に作る手術を行っています。
5.経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞):心臓に栄養や酸素を供給している冠動脈という血管が、動脈硬化により狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして血液の流れが悪くなり、心臓に栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなります。治療は、この狭窄ないしは閉塞した動脈を再度広げ、十分な血流を回復させることが必要となり、手や足の付け根からカテーテルという管を挿入し、バルーンという風船で血管を拡張したり、ステントという金網を留置して血流を回復させる治療です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 135 0.61 1.13 0.00% 71.00
K6335 鼠径ヘルニア手術 81 1.38 2.89 0.00% 69.84
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 60 2.27 4.90 0.00% 62.60
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 31 1.23 4.23 0.00% 35.58
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル留置(頭頸部その他) 25 1.04 8.40 0.00% 68.08
腹腔鏡手術は、腹部に5~12mmの穴を数か所開けて、そこから腹腔鏡カメラや鉗子などの手術器具を挿入し、モニターに映し出される腹腔内の画像を見ながら治療を行う手術です。切除した病変は、臍の創を3~4cm程度に広げ、同部位から摘出します。腹腔鏡手術は通常の開腹手術と比較して、患者にとって、術後疼痛などの身体的負担が少なく、創も小さく、回復も早い低侵襲な手術治療です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K0821 人工関節置換術(肩)(股)(膝) 217 1.83 20.56 2.30% 71.99
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 84 1.19 12.96 0.00% 22.99
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕)(下腿) 75 0.99 2.17 0.00% 48.05
K0462 骨折観血的手術(手舟状骨)(前腕)(下腿) 66 2.14 5.55 0.00% 49.86
K0461 骨折観血的手術(上腕)(肩甲骨)(大腿) 63 3.71 22.06 28.57% 70.41
股関節の軟骨がすり減り、股関節を構成する骨にも変形が生じると、痛みのため歩行が困難となり日常生活にも支障をきたします。人工股関節置換術を行うことにより痛みから解放され、股関節の動きもよくなり、痛みなく歩行可能となります。膝関節の軟骨がすり減って変形が著明となり歩行困難となる変形性膝関節症に対しても、人工膝関節置換術を行うことにより膝関節の変形が改善し、痛みなく歩行可能となります。肩の障害では肩腱板断裂が多くみられます。関節鏡下での低侵襲手術により断裂した腱板を修復すると、肩周囲の痛みが消退し、腕がスムーズに上がるようになります。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹)(下腿) 11 1.00 2.09 0.00% 53.91
K0841 四肢切断術(足) - 6.63 78.50 - -
K0151 皮弁作成術、移植術、切断術、遷延皮弁術(25cm2未満) - 2.71 8.29 - -
K0503 腐骨摘出術(足その他) - 1.00 33.20 - -
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上) - 1.00 1.00 - -
当科は体表の疾患に対し幅広く行っていますが、小手術は外来日帰りで行うことが多いため、入院手術は麻酔科管理が必要な脂肪腫などの骨軟部良性腫瘍切除、糖尿病・虚血による足潰瘍に関連する足切断術、腐骨摘出術、植皮術が上位になります。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K9091イ 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) 38 0.89 0.16 0.00% 33.76
K872-3 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術・子宮内膜ポリープ切除術 38 1.00 1.16 0.00% 40.11
K877-2 腹腔鏡下膣式子宮全摘術 27 1.00 5.00 0.00% 44.70
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 25 0.92 4.00 0.00% 41.12
K8862 子宮附属器癒着剥離術(両側)(腹腔鏡) 18 1.11 4.28 0.00% 37.28
2019年3月から本格的に腹腔鏡手術や子宮鏡手術を導入し、婦人科良性腫瘍のおよそ9割は同手術を行っています。手術創部が小さく社会復帰も早いため、患者さんのニーズが高く、症例数も着々と増加している。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 95 0.00 0.82 0.00% 76.88
K279 硝子体切除術 - 0.00 1.00 - -
- - - - - -
- - - - - -
- - - - - -
当科では、白内障に対する水晶体再建術(眼内レンズを挿入する)が最も多い手術となっています。局所麻酔下にて超音波を用いた手術機械を2.4mmの小さな創口から眼内に入れ、水晶体を粉砕吸引した後、眼内レンズを挿入します。日帰りまたは、一泊入院で手術を行っています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 26 1.00 5.62 0.00% 25.08
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 25 0.00 5.68 0.00% 36.76
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 24 1.58 2.42 0.00% 58.92
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 23 1.83 2.57 0.00% 52.04
K344 経鼻腔的翼突管神経切除術 11 1.00 2.00 0.00% 48.00
慢性副鼻腔炎(慢性化膿性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、歯性上顎洞炎、副鼻腔真菌症)に対する内視鏡下鼻・副鼻腔手術を安静かつ積極的に施行しています。薬物コントロール不良なアレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎に対しては、舌下免疫療法と共に、タービネートブレイドを用いた粘膜温存手術(鼻甲介切除術)や経鼻腔的翼突管神経切断術をを含めた集学的治療を行っています。
一方、救急医療管理加算1・2の入院適応となる扁桃周囲膿瘍に関しては、緊急入院の下、扁桃周囲膿瘍切開術を行っています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - 0.00 1.86 - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - 0.00 1.20 - -
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満) - 0.00 1.00 - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) (長径6cm以上12cm未満) - 0.00 1.00 - -
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) (長径2cm以上4cm未満) - 0.00 2.00 - -
当科では、皮膚腫瘍に対して視診およびダーモスコピーによる観察を行い、必要に応じて画像診断を行った上で手術を行っています。光線角化症、Bowen病、有棘細胞癌、基底細胞上皮癌などが疑われた場合、皮膚生検を施行して病理学的診断をつけた後、切除範囲を決定しています。
顔面や頭部などの腫瘍切除の場合に入院を勧めています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 251 1.26 3.10 0.00% 59.68
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 162 1.01 3.37 6.79% 68.72
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 138 1.23 5.58 0.00% 75.14
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 58 1.07 10.26 0.00% 70.50
K7981 膀胱結石摘出術(経尿道的手術) 25 1.40 3.40 0.00% 73.40
手術で最も多いのは、尿路結石に対して経尿道的に内視鏡を挿入してレーザーや圧縮空気・超音波複合破砕装置を用いて破砕・抽石を行う手術です。2番目に多いのは、尿路の結石、感染や腫瘍による閉塞で生じた水腎症に対して尿管ステントを留置して尿の排泄を促す手術です。3番目は、膀胱がんに対して尿道から内視鏡を挿入して切除する手術です。画像強調観察技術(NBI)で観察・根治切除を補助、膀胱の灌流液に生理食塩水を使用して合併症を軽減する方法です。4番目は、ロボット内視鏡支援機器を用いた前立腺がんの根治的切除手術です。5番目は、経尿道的に内視鏡を挿入して膀胱の結石をレーザーや圧縮空気・超音波複合破砕装置で破砕・除去する手術です。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 141 2.95 3.26 0.71% 69.09
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 81 0.00 0.35 0.00% 71.02
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 76 2.39 5.26 0.00% 72.87
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 53 0.06 10.62 1.89% 67.89
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安狭心症) 42 1.05 8.07 0.00% 69.02
狭心症や心筋梗塞では、心臓に栄養や酸素を供給している冠動脈という血管が動脈硬化により狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして血液の流れが悪くなり、心臓に栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなります。そのため、この狭窄や閉塞した冠動脈を広げ、十分な血流を回復させる治療が必要となります。また、手や足の血管が同様に狭窄や閉塞を起こして血流が悪くなることで、手足が痛くなったり、冷たくなったり、傷ができてしまう末梢動脈疾患や重症下肢虚血といった疾患も循環器領域の重要な疾患です。これらに対して当院では、手や足の付け根からカテーテルという管を挿入してバルーンという風船で血管を拡張したり、ステントという金網を留置して血流を回復させるカテーテル治療を積極的に行っています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K610-3 内シャント設置術 35 5.11 4.89 0.00% 68.40
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 13 5.31 5.85 15.38% 77.54
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - 1.67 16.33 - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - 35.00 8.50 - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - 0.00 32.00 - -
当科では、血液透析の導入が必要になった症例に対して、自己血管を用いた内シャント造設術を施行しております。また低心機能であったり、自己血管による内シャント設置が困難である場合は、上腕動脈の表在化を行ったり、透析用の留置カテーテルを設置したりしています。またシャントの使用などでトラブルが生じたりした場合、狭窄した血管を拡張させる経皮的シャント拡張術、不要なシャントを閉鎖する血管結紮術などを施行したりしています。腹膜透析導入を希望された場合は、腹膜透析用カテーテル留置術を施行しています。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K654 内視鏡的消化管止血術 - 3.57 11.57 - -
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) - 22.00 15.75 - -
K610-3 内シャント設置術 - 35.00 48.50 - -
K607-3 上腕動脈表在化法 - 15.00 47.00 - -
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置 (頭頸部その他) - 9.00 29.00 - -
末梢血幹細胞移植(自家移植):白血球・赤血球・血小板の源となる細胞を造血幹細胞といいます。造血幹細胞は骨髄に存在し、血液中にはほとんど存在しません。化学療法後や顆粒球コロニー刺激因子という薬剤投与後に、造血幹細胞が血液中に増加します。血液成分分離装置を用いて血液から造血幹細胞を採取し、凍結保存します。悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の治療において、抗がん剤を大量投与した後に、凍結保存しておいた自己末梢血幹細胞を解凍し、輸注します。これを自家移植といいます。当院でも自家移植は可能であり、適応を考慮しつつ行っております。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 277 0.45 1.10 0.00% 68.20
K638 内視鏡的胆道ステント留置術 31 1.97 7.87 3.23% 79.00
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 24 0.54 1.21 0.00% 70.17
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 24 1.25 5.96 0.00% 70.25
K654 内視鏡的消化管止血術 23 0.83 7.70 8.70% 71.17
当科で最も多く施行された手術(処置)は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。病変の大きさが長径2cm未満のものが大多数を占めますが、2cm以上のものも多く施行しています。次に、総胆管結石等の良性疾患や胆管癌・膵臓癌の悪性疾患のいずれにおいても胆道の閉塞に対して胆汁の流れ道を確保するための内視鏡的胆道ステント留置術を多く施行しています。これらは、いずれも上部・下部消化管内視鏡を用いた低侵襲治療に位置付けられています。次に多いのは、下部消化管出血に対して行う結腸内視鏡的止血術、胃・十二指腸などの出血に対する内視鏡的消化管止血術と続きます。出血が多い場合、十分な輸液に加え輸血など的確な全身管理のもとに行われる緊急処置です。
糖尿内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス掲載の有無
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - 17.00 2.00 - -
K0503 腐骨摘出術(足その他) - 1.00 31.00 - -
K754-2 腹腔鏡下副腎摘出術 - 1.00 24.00 - -
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) - 0.00 13.00 - -
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - 4.00 13.00 - -
当科単独での手術は行っておりませんが、入院中に並行して合併症の治療や、併発した他科領域の疾患の治療を、院内他科に依頼して行うことがあります。一般的に糖尿病の患者さんは悪性腫瘍や心血管疾患を合併しやすく、入院中に発見されることもあります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 DIC 同一 - -
異なる 13 0.13%
180010 敗血症 同一 11 0.11%
異なる 32 0.32%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 66 0.65%
異なる 33 0.33%
DIC(播種性血管内症候群)は、感染症、悪性腫瘍、産科的疾患など、何らかの基礎疾患があって生じますが、令和元年度では発生率0.14%(前年度比+0.06%)で、その基礎疾患の大半は肺炎でした。令和元年度は重症の成人市中肺炎症例の入院が多く、このことが背景にある可能性が考えられました。敗血症の発生率は0.43%で、前年+0.06%とほぼ横ばいでした。真菌感染症は、令和元年度は10名未満であり、上記一覧には記載がありません。手術・処置等の合併症の発生率は0.98%と前年度と同等でした。透析シャントの狭窄、人工関節置換術の緩みや脱臼、尿管回腸導管吻合部狭窄、冠動脈ステント留置後再狭窄といった経年的変化に対して入院加療を要した57例(58%)が前年度同様に大半を占めておりました。
更新履歴
2020/10/01
令和元年度臨床指標
2019/10/01
平成30年度臨床指標
2018/10/01
平成29年度臨床指標
2017/09/29
平成28年度臨床指標
2016/09/30
平成27年度臨床指標