平成29年度 社会福祉法人同愛記念病院財団同愛記念病院 臨床指標

◆臨床指標(クリニカルインディケーター)とは、病院の様々な機能を適切な指標を用いて表したものであり、これを分析し、改善することにより医療サービスの質の向上を図ることを目的とするものです。
◆平成28年度の診療報酬改正では、DPC制度(診断群分類による1日当たりの定額報酬制度)(注1*
 に基づいたDPCデー タを公表することが義務付けられております。
   (注1)DPC(診断群分類別包括制度)は、DPC(Diagnosis Procedure Combination)の略で、
     医師が決定した主病名に基づき、入院患者さんの一連の医療行為を、国で定めた
     1日あたりの定額の点数から入院医療費を計算する制度です。
◆指標の主な定義
 ・平成29年度(平成29年4月~平成30年3月)に当院の一般病棟を退院された患者さんのデータが対象になります。
 ・厚生労働省へ提出しているDPCデータを基に作成しております。
 ・10未満の数値の場合は、-(ハイフン) を記入しています。(患者さんが特定される可能性があるためです。)
 ・DPC臨床指標の公開にあたり、医療機関ホームページガイドラインを遵守しております(補足1*)。
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数
  4. 4成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別症例数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および術前・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 737 235 421 534 616 802 1,481 2,152 1,491 335
平成29年度のDPC対象の全退院患者数は8,804人と前年度比350人増加(+4%)でした。当院の入院患者さんは,60歳以上の占める割合が全体の62%と高く,前年度と比較して特に70~80歳代の高齢者入院数の増加(+8.3%)が顕著です。60から70 歳代では,狭心症などの虚血性心疾患や泌尿器科領域での炎症性・腫瘍性疾患,変形性関節症や骨折例が多く,80歳代以降では誤嚥性肺炎などの下気道炎症性疾患や心不全疾患が主体となっております。平成29年度は特に、70歳代での急性腎不全疾患の増大が特徴的です。一方,0~9歳の入院患児数も前年度比+10%と増加傾向にあります。この要因として,低年齢化した乳幼児喘息発作症例やRS ウイルスやヒトメタニューモウイルスなどウイルス感染症の流行が影響した結果と考えられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし - 37.11 17.71 - - -
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし - 54.00 20.83 - - -
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし - 13.00 12.34 - - -
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2-なし - 2.00 5.50 - - -
0400801499x003 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし - 40.50 16.97 - - -
当科は内科の初療を中心に、専門科が担当する以外の患者様の診療を担当しています。このため扱う疾病の種類は多岐にわたっています。
アレルギー科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 42 21.38 20.83 7.14% 86.52 -
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2-なし 30 20.67 19.65 3.33% 71.30 -
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2-なし 副傷病なし 21 8.00 6.32 0.00% 43.76 -
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 19 11.21 15.12 5.26% 83.05 -
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1-あり 手術・処置等2-なし 18 3.11 3.59 5.56% 69.67 -
【誤嚥性肺炎】
嚥下機能が衰えた高齢者や脳血管障害などで嚥下筋に障害がある患者さんなどに起きる肺炎です。食事の際に食物をむせてしまい、その結果異物が入った肺に炎症が起こります。近年の高齢化社会の中で特に増加している疾患です。治療は主として抗生物質の投与・必要に応じて酸素吸入などを行います。 当院では地域の基幹病院として、近隣にご在住の誤嚥性肺炎の患者さんは積極的に受け入れております。治療後にご病状が落ち着きましたら、誤嚥の再発防止策を行い自宅・老人ホームなどの施設へお戻りいただく手伝いをさせていただきます。

【間質性肺炎】
喫煙・大気汚染など様々な要因により、肺の構造物(スポンジ状の組織)に慢性の炎症が生じ、その結果肺組織が緩徐に硬くなっていく原因不明の疾患です。以前は稀な疾患でしたが、近年は国内に約11万人の患者さんがいるのではないかと推測されています。病気が進行すると労作時息切れが生じます。そのため酸素ボンベが自宅に必要となる患者さんもおられます(在宅酸素療法)。現時点で有効な治療薬はなく、進行を遅らせるお薬(抗線維化薬)があるのみです。当院では個々の患者さんのご病状に合わせて薬剤や酸素療法など適切な治療介入を導入することにより患者さんの生活の質の向上に努めております。

【喘息】
気管支の内壁にアレルギー性の炎症が生じてその結果気道が狭くなり呼吸困難などを来す疾患です。発症年齢は小児から高齢者まで幅広く、国内には数百万人の患者さんがいるものと推定されています。適切な治療を行わずに放置しておくと、気道炎症が遷延して次第に呼吸機能が低下してしまいます。適切な抗炎症治療としての吸入ステロイド薬や気管支拡張薬・ロイコトリエン拮抗薬・テオフィリン薬などを 組み合わせて治療することで、良好なコントロールの実現が可能です。

【肺の悪性腫瘍】
喫煙・大気汚染など様々な要因により、肺に生じる悪性の腫瘍(がん)です。高齢化社会とともに患者数が増えており、現在日本人で最も多いがんです。初期は無症状のことが多いので、早期発見には検診が重要です。病気が進行すると咳嗽・血痰・呼吸困難や転移した臓器に基づく症状(例:骨転移による疼痛など)が生じます。治療法には手術・放射線治療・化学療法(抗がん剤)があります。当院に は呼吸器外科がありませんので手術が可能な症例は近隣の病院に紹介しております。手術以外の治療は当院での施行が可能です。個々の患者さんのご病状に合わせて適切な治療介入を導入することによ り患者さんの生活の質の向上に努めております。

【肺炎】
肺炎は若年者から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんが罹患されています。
主として空気中に漂う病原菌が呼吸により肺内に吸い込まれることにより感染が成立します。高齢化社会の到来とともに高齢者の死因として現在も増加傾向にあります。抗生物質の点滴が治療の中心となります。当院では発症当日予約なしですぐにCTが撮影できます。加えて喀痰の顕微鏡検査なども当日中に速やかに行うことができますので迅速に診断して治療を開始することが可能です。そのため平均在院日数は全国平均を下回っています。また、65 歳以上の高齢者を対象に肺炎球菌ワクチンの接種も行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1-なし 101 1.01 2.54 0.00% 6.95 -
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上)手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 79 6.92 6.18 1.27% 0.00 -
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2-なし 副傷病なし 44 5.77 6.32 0.00% 3.57 -
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)副傷病なし 43 5.33 5.94 0.00% 1.19 -
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 35 5.89 5.70 2.86% 3.26 -
1.食物アレルギー食物アレルギーの確定診断は食物経口負荷試験によりますが、危険性の高い場合は入院して検査を行います。経口負荷試験は、アレルギー診療に十分な経験を持っている医師のもと での実施が求められているため当科では増加傾向にあります。保険診療としては、9歳未満 の患者では年2回まで「短期滞在手術等基本料3」(6000点)を算定可能であったため、9歳以上または年に3回目以降の入院件数は表のとおり101件でしたが、実際に経口負荷 験を実施した入院件数は400件以上でした。

2.妊娠期間短縮、低出生体重に関する障害

妊娠期間37週未満の早産児、出生時体重2500g未満の低出生体重児、糖尿病や甲状腺疾患合併妊娠など新生児に障害を起こす危険性の高い分娩(ハイリスク分娩)で出生した新生児は、新生児仮死、低血糖、呼吸障害、病的黄疸などが生じやすいため小児科入院として管理しています。平成29年度は前年度に比べ分娩件数がやや減少したことから新生児の入院数もやや減少しました。また、中等症~重症の新生児は地域周産期センター(NICU)へ転院搬送しており、平成29年度の転院率は1.27%でした。

3.喘息 喘息発作による入院件数は診療ガイドラインの普及や長期管理薬の進歩などにより減少傾向にありますが、平成29年度は前年度より15件増加しました。平均年齢は前年度5.28歳から平成29年度は3.57歳と低年齢化しており、乳幼児の喘息発作が増加しているためと考えられます。

4.下気道感染症(急性気管支炎、肺炎等)細菌、ウイルス、マイコプラズマなどの病原体が気管支や肺に感染し炎症を起こす病気です。近年、予防接種の普及により下気道感染症の患者数は減少傾向にありますが、平成29年度はやや増加しました。平均年齢が前年度より低年齢化しており、乳幼児のRSウイルスやヒトメタニューモウイルスなどウイルス感染症の流行が影響した結果と考えられます。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x00x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-なし
副傷病なし
65 3.40 7.21 0.00% 75.95 -
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1-なし
手術・処置等2-なし 副傷病なし
51 7.12 7.40 0.00% 61.61 -
060040xx99x60x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし
手術・処置等2-6あり 副傷病なし
37 3.92 4.38 0.00% 70.62 -
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 33 15.76 15.61 0.00% 72.61 -
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-6あり
副傷病なし
29 4.76 4.47 0.00% 54.55 -
当科が扱う疾患は、ヘルニア、胆石症などの良性疾患から大腸癌、胃癌、食道癌、乳がんな どの悪性疾患まで幅広く、対象とする臓器は大腸、小腸、胃、食道、肝臓、胆嚢、膵臓、乳腺、肛門疾患と広範囲にわたっています。手術の特徴としては、低侵襲手術としての腹腔鏡 手術や内視鏡手術を積極的に行っています。また、手術前後の化学療法、放射線治療も行っ ており、根治的手術の達成と再発リスクの減少を目指しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。)腱縫合術等 161 11.45 11.41 0.00% 30.06 -
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)人工関節再置換術等 95 26.49 23.14 0.00% 67.15 -
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)人工関節再置換術等 78 26.38 25.09 2.56% 75.92 -
070050xx97xxxx 肩関節炎、肩の障害(その他)手術あり 64 24.70 24.86 0.00% 69.41 -
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 46 40.33 27.09 34.78% 82.96 -
当科では膝前十字靭帯損傷に対する関節鏡下靭帯再建術、変形性股関節症に対する人工股関節置換術、変形性膝関節症に対しての人工膝関節置換術を数多く行っています。サッカー、ラグビーや柔道選手では、しばしば膝前十字靭帯を損傷したことで競技人生が送れなくなってしまうケースがあります。このような患者さんに対しては、関節鏡下に靭帯を低侵襲で再建することにより膝関節が安定し、競技復帰が可能と なります。さらにスポーツ選手には手術後のリハビリテーション計画をしっかり立て、競技復帰まで細かいケアを行っています。股関節の軟骨がすり減り、股関節を構成する骨にも変形が生じると、痛みのため歩行が困難となり日常生活にも支障をきたし ます。人工股関節置換術を行うことにより痛みから解放され、股関節の動きもよくなり、痛みなく歩行可能となります。膝関節の軟骨がすり減って変形が著明となり歩行困難となる変形性膝関節症に対しても、人工膝関節置換術を行うことにより膝関節の変形 が改善し、痛みなく歩行可能となります。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100100xx97x1xx 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2-あり 11 63.45 51.26 0.00% 67.82 -
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)
鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし
11 3.09 5.60 0.00% 29.36 -
080007xx97xxxx 皮膚の良性新生物 その他の手術あり - 4.29 6.09 - - -
070395xx970xxx 壊死性筋膜炎 手術あり 手術・処置等1-なし - 58.67 36.67 - - -
070395xx971xxx 壊死性筋膜炎 手術あり 手術・処置等1-あり - 155.00 65.84 - - -
当科では体表面の外傷、潰瘍、腫瘍など幅広く治療しています。入院病名では巨大粉瘤な どの皮膚良性腫瘍、脂肪腫などの骨軟部良性腫瘍、顔面骨骨折、静脈うっ滞性潰瘍、糖尿病・虚血による足潰瘍が上位になります。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120140xxxxxxxx 流産 71 2.01 2.43 0.00% 34.15 -
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 24 10.79 9.91 0.00% 44.46 -
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2-なし 23 17.26 20.41 0.00% 30.43 -
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 18 3.00 5.93 0.00% 32.61 -
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。)開腹によるもの等 15 10.33 10.27 0.00% 47.00 -
流産は全妊娠中の約15%に及び今年度患者数も最多でした。子宮良性腫瘍は子宮筋腫や子 宮内膜症があげられます。妊娠中、切迫早産になった場合入院、点滴療法を要する場合があり、入院期間は数週間に及ぶこともあります。妊娠中、対象になった妊婦さんに対してブドウ糖負荷試験を行い妊娠糖尿病と診断された場合は、一日の血糖値変動の観察および 栄養指導目的で教育、検査入院になります。血糖値によって食事療法かインスリン療法かを決定します。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 40 4.48 5.15 0.00% 63.05 -
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 33 5.58 5.48 0.00% 32.85 -
030240xx01xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 30 6.20 7.22 0.00% 32.77 -
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 12 6.25 7.23 0.00% 54.67 -
030240xx97xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 その他の手術あり 12 7.25 8.61 0.00% 22.75 -
平衡機能障害(めまい)や急性扁桃炎,扁桃周囲膿瘍など,起立困難や経口摂取困難な状況からの脱水を伴い,救急搬送や近医からの入院要請による入院患者さんが多くを占めます。めまいには内耳性めまいの他,脳梗塞や脳出血などの頭蓋内疾患,不整脈や出血に伴う貧血などの緊急性を要する病態もあり,それらとの鑑別や他科との連携が必要です。急性扁桃炎は扁桃腺の細菌やウイルスによる炎症疾患であり,細菌感染の多くは通院での内服加療で治癒しますが,内服薬では効果が得られず,咽頭部痛や発熱が増悪する例,ウイルス感染の ため症状の緩和のみの治療とならざるを得ず,経口摂取不良から脱水をきたした例,咽喉頭 の浮腫を伴い呼吸苦を伴う例では入院加療が必要となります。また,扁桃腺の周りに膿が貯まり,開口障害や嚥下障害,呼吸苦を伴う扁桃周囲膿瘍では,入院の上,外科的処置(切開排膿術)を要します。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 88 7.97 8.95 1.14% 65.28 -
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 59 11.22 11.73 0.00% 61.66 -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1-なし 15 3.73 4.14 0.00% 49.33 -
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2-なし - 4.33 8.50 - - -
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹 手術・処置等1-なし - 9.33 10.89 - - -
当科では皮膚腫瘍や皮膚炎など、ほぼ全ての皮膚疾患に対応しております。蜂窩 織炎、丹毒などの急性膿皮症、あるいは帯状疱疹の中で、内服治療では難治である、あるいは合併症の恐れがある場合は入院加療としています。皮膚腫瘍については大きさ・部位により必要と判断された場合、入院にて外科的治療を行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1-なし
副傷病なし
248 4.71 5.75 0.40% 59.88 -
110420xx97xx0x 水腎症(その他) その他の手術あり 副傷病なし 89 4.12 5.17 1.12% 72.75 -
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1-なし
手術・処置等2-2あり 副傷病なし
88 7.83 7.64 2.27% 72.64 -
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2-なし 60 13.03 12.92 0.00% 68.52 -
110310xx01xx0x 腎臓または尿路の感染症 経皮的腎(腎盂)瘻造設術等 副傷病なし 45 9.09 14.59 2.22% 63.53 -
当科で最も多いのが上部尿路結石に内視鏡治療です。ホルミウムレザーを用いた尿管鏡による結石破砕術で抽石も併用して入院日数の短縮をはかっています。2番目は尿路結石による水腎症や閉塞性腎盂腎炎に対する尿管ステント留置術が主に含まれており、緊急手術での対応が多い疾患です。3番目は膀胱癌に対する内視鏡治療で、当院では即時抗癌剤膀胱内注入治療を併用しています。4番目はダビンチシステムによるロボット支援前立腺全摘除術を示しています。5番目が緊急性を要する閉塞性急性腎盂腎炎に対して尿管ステント留置術や背中から尿路にアクセスする腎ろう造設術を施行した入院を示しています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり
手術・処置等2-なし 副傷病なし
193 3.04 3.03 0.00% 65.19 -
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2-なし 副傷病なし 168 3.80 4.62 0.60% 67.18 -
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし
副傷病なし
105 16.56 17.71 5.71% 82.19 -
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1-なし、1あり 手術・処置等2-なし 副傷病なし 70 9.39 12.72 2.86% 66.20 -
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1-なし、1あり 手術・処置等2-なし 副傷病なし 54 6.89 5.68 0.00% 72.26 -
心臓は、全身に血液を循環させるポンプの働きをしている臓器です。狭心症や心筋梗塞では、心臓に栄養や酸素を供給している冠動脈という血管が動脈硬化により狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして血液の流れが悪くなり、心臓に栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなる疾患です。狭心症は、心臓の筋肉の血流不足によって胸苦しさや息苦しさが出現し、そして心臓の筋肉に血流が行かなくなった状態が急性心筋梗塞であり、心臓のポンプ機能が低下し、命に関わる危険な疾患で緊急治療が必要です。当院は、東京都CCUネットワーク加盟施設として24時間体制で狭心症や急性心筋梗塞に対するカテーテル検査や治療を行っております。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110290xx99x00x 急性腎不全 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 22 12.91 14.30 9.09% 76.36 -
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし
手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし
17 10.76 12.23 17.65% 64.76 -
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術
その他の動脈等 手術・処置等2-なし 副傷病なし
15 5.47 8.50 0.00% 65.93 -
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 14 10.93 12.34 0.00% 68.29 -
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし
副傷病なし
11 17.09 17.71 9.09% 73.45 -
当科に入院する症例で最も多いのは、何らかの理由により、突然腎機能障害が低下してしまう(急性腎障害)症例です。症例ごとに原因を検索し、適切な対応をとって腎機能障害の改善を図っていきます。2番目に多いのは、慢性腎臓病の進行によるものです。透析の導入が必要になる症例について必要に応じて入院加療を行い、適切な処置を行っています。また腎機能障害をもともと有している症例は感染症などの合併症を呈することも多く、尿路を中心として慢性腎臓病を基礎に持つ患者の各種合併症などについても、当科で対応できるものについては適宜入院加療対応を行っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2-2あり 35 37.80 40.97 0.00% 73.20 -
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 22 19.68 21.28 0.00% 74.45 -
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2-3あり 17 25.47 34.49 0.00% 67.47 -
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等2-4あり 14 11.07 10.60 0.00% 83.86 -
130010xx99x5xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等2-5あり 14 27.36 29.87 0.00% 57.00 -
当院の入院症例は、悪性リンパ腫、白血病、骨髄異形成症候群などの悪性疾患が多くを占めます。初回の化学療法は、効果や副作用を把握するため入院加療が原則となります。悪性リンパ腫は2コース目から外来通院加療となり、白血病は完全寛解(正常造血能回復、白血病細胞の駆逐)を目指します。また骨髄異形成症候群は病勢悪化傾向のある症例への脱メチル化剤の導入や輸血、感染症治療などの支持療法も行い、外来通院に繋げます。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2-なし 副傷病なし 31 12.32 10.61 0.00% 76.06 -
060350xx99x00x 急性膵炎 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 15 9.60 11.50 0.00% 63.20 -
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの)
その他の手術あり 手術・処置等2-なし 副傷病なし
14 10.57 10.71 0.00% 69.50 -
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 13 6.38 7.87 0.00% 52.62 -
060340xx99x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等2-なし
副傷病なし
12 7.75 9.85 25.00% 78.92 -
当科に入院する患者さんの中で最も多い病気は、総胆管結石の治療症例です。胆汁の流れ道である胆管に結石が出来て胆汁の流れが悪くなり、黄痘になったり、細菌が感染して胆管炎を合併することがあり、腹痛の場所から単なる胃炎や胃潰瘍などと間違えられやすい病気です。胃薬では改善せず、悪化すると命にも関わることがあります。
内視鏡的治療をまず優先して施行しています(ERCP(内視鏡的逆行性胆管障管造影)といいます)。胆管の出口を広げた上で結石を取り出したり、貯まった胆汁を流し出すチューブを入れることもあります。
内視鏡的治療が困難な場合には、エコーを見ながら体の外から胆管や胆のうにチューブを入れて貯まった胆汁を流し出す方法(PTCD(経皮経肝的胆道ドレナージ)・PTGBD(経皮経肝的胆のうドレナージ))に切り替えたり、外科的な対応を考慮することもあります。
次に多い病気は、急性膵炎です。軽症のものから命に関わる重症のものまで様々ですが、症状は胃のあたりや背中の激しい痛みで発症することが多い病気です。消化酵素を含む膵液が膵管という管の外に漏れてしまうことで、自分自身の体が消化されて激しい炎症が起こります。著しい脱水を来すことが多く、治療は大量の補液(点滴)や、消化酵素の働きを止める薬など様々な薬を投与しつつ、痛みを抑え、改善しない重症例では血 漿交換なども行うことがあります。
膵炎の原因は、アルコール、高脂肪食、総胆管結石によるもの、自己免疲(自分自身を攻撃する抗体というタンパク質を自分で作ってしまう病気)によるもの、膵臓のがん・腫瘍が関係するもの、外傷によるものなど様々で、膵炎自体の治療に合わせて原因への対策も行います。特に胆石膵炎と呼ばれる 総胆管結石による膵炎では、先に述べたERCPを行って改善を図ります。
3番目に多い病気は、胃・十二指腸潰瘍です。
大量の出血で血圧が低下、ショック状態になることもあり、適切な補液や輸血を行って全身状態の改善を図りながら、内視鏡的止血処置(露出している血管をクリップという器具で閉じたり、止血紺子という器具などを用いて止血する方法、止血剤を注射する方法など)を行うことがあります。
また数は少ないですが、内視鏡で止めきれない場合にはIVR(X線画像を見ながらカテーテルを用いて出血している血管を詰めてしまう治療)や手術を行うこともあります。胃酸(強い塩酸)によって粘膜とその下の組織が傷ついて潰瘍ができるので、胃酸を抑える薬を用いて治療します。点滴を行いなが ら一定期問、食事を止めて、胃を休めることで治癒を早めるようにします。潰瘍の原因となり得る、ヘリコパクター・ピロリの感染があれば除菌治療を行ったり(退院後に外来で対応することが多い)、薬が原因で起こる潰瘍・出血であれば、適切な薬剤への変更や、一定期間の休薬を指示することもあります。
糖尿内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)
(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2-1あり 副傷病あり
20 12.10 15.87 0.00% 65.60 -
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等2-1あり 副傷病あり 18 12.72 15.63 0.00% 70.22 -
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2-1あり 副傷病なし 18 10.83 14.27 0.00% 69.67 -
100180xx99000x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし
手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし
11 9.36 5.76 9.09% 53.45 -
100070xx99x010 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病あり - 12.78 11.90 - - -
当科では2型糖尿病患者さんの教育入院、血糖コントロール目的の入院が圧倒的に多くなっております。他にも1型糖尿病や妊娠糖尿病などあらゆるタイプの糖尿病の入院診療に対応しており、また数は多くないもののケトアシドーシス、シックデイなど急性合併症で入院される方も毎年おられます。さらに副腎疾患の内分泌検査のための入院も増加してきております。
初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数ファイルをダウンロード
  Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明 再発
胃癌 26 - 21 17 - 10
大腸癌 21 56 71 78 - 125
乳癌 - 25 13 - 0 -
肺癌 - - - 15 - -
肝癌 - - - - - 0
5大がんの中では大腸がんや胃がんなどの消化器がんが大半であり,前年度と比較して大腸 がんのStageⅡ・Ⅲが増加傾向にあります。病期では,StageⅢ・Ⅳの進行がんが6割強を占めています。手術・抗がん剤・放射線治療等、集学的治療を行うと共に,低侵襲性手術としての腹腔鏡下手術や内視鏡治療を積極的に行うことで在院日数を短縮し,その上で再発リスク減少を目指します。
4成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
肺炎重症度 患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 25 10.60 52.04
中等症 171 17.76 77.56
重症 36 20.28 84.42
超重症 11 21.09 77.73
不明 243 17.55 75.95
症例数では中等症を示す重症度1,重症度2の割合が多く,全体の 70%を占めております。前 年度と比較すると重症度1・2・3の何れにおいても患者数は20~50%増加しております。入院の契機となった疾患が肺炎ではなく,入院後に肺炎を併発あるいは重篤化したため,最終的に肺炎がDPCの評価病態とした患者数の増加によると考えます。平均年齢は,軽症である重症度0は50歳代,中等症(重症度1・2)は70 歳代,重症(重症度3~)は80歳代となっており,成人市中肺炎の高齢になるほど重症化し易い傾向は変わりません。平均在院日数は,肺炎重症度のみならず合併症等の背景因子も影響しますが,今年度では,特に重症 度1・2・3では若干の短縮傾向にありました。
治療は急性呼吸不全の管理,適切な抗菌薬投与が中心です。重症例では酸素呼吸や人工呼吸 管理(人工呼吸器,NPPV,ネイザル・ハイフロー等)が必要となることもあります。
脳梗塞のICD10別患者数ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均
在院日数
平均年齢 合計転院 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - 0.00 - - -
その他 - - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 0 0.00 0.00 0 0.00%
その他 0 0.00 0.00 0 0.00%
I63$ 脳梗塞 3日以内 0 0.00 0.00 0 0.00%
その他 16 24.75 79.75 6 37.50%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞性及び狭窄、脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 0 0.00 0.00 0 0.00%
その他 0 0.00 0.00 0 0.00%
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄、脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 0 0.00 0.00 0 0.00%
その他 0 0.00 0.00 0 0.00%
I675 もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症) 3日以内 0 0.00 0.00 0 0.00%
その他 0 0.00 0.00 0 0.00%
I679 脳血管疾患、詳細不明 3日以内 0 0.00 0.00 0 0.00%
その他 0 0.00 0.00 0 0.00%
平成29年度脳虚血性疾患は,脳梗塞(その他)が16となっております。当院では神経内科医の常勤医が不在であるため,脳梗塞等の診断後は速やかに脳血管内治療専門医の常駐する基幹病院との連携をはかり,対応しております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別症例数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) - - - - - -
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) - - - - - -
K0842 四肢切断術(足) - - - - - -
K0133 分層植皮術(100cm2以上200cm2未満) - - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - - -
当科入院中に処置を要する場合、必要な専門科との連携により実施しています。特に、四肢切断(主として糖尿病合併症による)・植皮(主として褥瘡のた め)は形成外 科にて、埋め込み型CVポートは栄養管理のため外科にて行ってもらっています。
アレルギー科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K386 気管切開術 - - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - - -
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) - - - - - -
K550-2 経皮的冠動脈血栓吸引術 - - - - - -
【気管切開術】
呼吸不全のために長期間期間内チューブを留置する必要がある際に、声帯へのダメージを防止する目的に頸部に切開孔を空けて気管へのアクセスを増設することをいいます。気管切開を行うことにより、喀痰の吸引が容易になり喀痰の詰まりによっておこる様々な合併症を未然に予防できます。気管切開を必要としない程度に全身状態が改善すれば、切開孔を手術的に閉じることもあります。

【中心静脈埋め込み型カテーテル設置】
人工呼吸器を必要とするような呼吸不全の患者さんなどに長期に経口にて食事が摂れない場合に、静脈内に高カロリーの点滴(輸液)をする際に行う処置です。左右どちらかの鎖骨の下の皮下に小さなボタン型の装置を埋め込みます。点滴の針はその部分から挿入します。肺がんの治療などで定期的に抗がん剤の点滴が必要な場合にも用いられることがあります。腕などからの点滴に比べて患者さんの負担が少なく良好なQOL(生活の質)が期待できます。

【胃ろう増設術】
高齢・脳血管障害・パーキンソン病などが原因で食べたものをむせてしまう患者さんに、十分な栄養を補給させていただくために選択することがある手術です。胃カメラにて胃の場所を確認後に腹壁の皮膚を消毒・局所麻酔して専用の管を対外から胃の中まで通します。これで液体状の栄養剤を胃まで流し込むことができます。誤嚥性肺炎の予防効果も期待できますが、最近は延命治療の一環として必要性の有無を十分に検討してから行われる傾向にあります。

【内視鏡的胆道ステント留置術】
何らかの理由で胆管の流れが悪くなった患者さんに対して内視鏡を用いて狭窄部位に専用のチューブ状のステントと呼ばれる器具を差し込む治療法です。これにより胆道の流れが再開され、黄疸などの症状が緩和されます。開腹手術ではないので患者さんの肉体的負担も軽いです。

【経皮的冠動脈ステント留置術】
心臓の筋肉に栄養を供給する冠状動脈という血管が狭くなった患者さんに対して心臓カテーテルという細くて長い管を用いて狭窄部位に専用のチューブ状のステントと呼ばれる器具を差し込む治療法です。これにより冠状動脈の血流が再開され、狭心症などの症状が緩和されます。開胸手術ではないので患者さんの肉体的負担も軽いです。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 225 0.43 1.18 71.49 0 0.00%
K6335 鼠径ヘルニア手術 98 1.63 2.51 63.79 0 0.00%
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 56 3.54 4.79 62.70 0 0.00%
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 34 1.21 1.88 69.71 0 0.00%
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 32 3.00 12.00 70.09 0 0.00%
腹腔鏡手術は、腹部に5~12mmの穴を数か所開けて、そこから腹腔鏡カメラや鉗子などの手術器具を挿入し、モニターに映し出される腹腔内の画像を見ながら治療を行う手術です。切除した病変は、臍の創を3-4cm程度に広げ、同部位から摘出します。腹腔鏡手術は通常の開腹手術と比較して、患者にとって、術後疼痛などの身体的負担が少なく、創も小さく、回復も早い、低侵襲な手術治療です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K0821 人工関節置換術(股) 100 2.87 22.85 67.68 0 0.00%
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 93 1.08 13.35 27.03 0 0.00%
K0821 人工関節置換術(膝) 88 2.16 23.56 75.85 4 4.55%
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) 82 1.39 20.95 67.17 0 0.00%
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) 77 1.05 2.69 43.03 0 0.00%
股関節の軟骨がすり減り、股関節を構成する骨にも変形が生じると、痛みのため歩行が困難となり日常生活にも支障をきたします。人工股関節置換術を行うことにより痛みから解放され、股関節の動きもよくなり、痛みなく歩行可能となります。膝関節の軟骨がすり減って変形が著明となり歩行困難となる変形性膝関節症に対しても、人工膝関節置換術を行うことにより膝関節の変形が改善し、痛みなく歩行可能となります。肩の障害では肩腱板断裂が多くみられます。関節鏡下での低侵襲手術により断裂した腱板を修復すると、肩周囲の痛みが消退し、腕がスムーズに上がるようになります。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) - - - - - -
K013-22 全層植皮術(25cm2以上100cm2未満) - - - - - -
K0842 四肢切断術(足) - - - - - -
K013-23 全層植皮術(100cm2以上200cm2未満) - - - - - -
K0503 腐骨摘出術(足その他) - - - - - -
当科は体表の疾患に対し幅広く行っていますが、小手術は外来日帰りで行うことが多いため、入院手術は麻酔科管理が必要な脂肪腫などの骨軟部良性腫瘍的手術、糖尿病・虚血による足潰瘍に関連する足切断術、腐骨摘出術、植皮術が上位になります。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 62 1.50 9.29 32.42 1 1.61%
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 59 0.83 0.15 33.95 0 0.00%
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 40 2.93 8.98 32.73 0 0.00%
K877 子宮全摘術 26 1.00 8.92 47.62 0 0.00%
K861 子宮内膜掻爬術 20 1.30 0.95 38.40 0 0.00%
帝王切開数は例年最も多く今年も同様でした。さらに帝王切開は例年、年間分娩件数の2割程度でほぼ同等でした。帝王切開は元々予定していたものと経腟分娩の経過中に緊急帝王切開に切り替わったものとがあります。緊急は即座に対応できるように産科医師、麻酔科医師、手術室看 護師の体制を整えております。今年度は緊急が増加しましたがその理由としては合併症を有する妊婦さんの増加、妊婦さんの高齢化等があげられます。これら帝王切開以外の手術数は流産手術が続きます。そして次に婦人科に対する子宮全摘術があげられます。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 29 0.31 4.55 32.97 0 0.00%
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 22 1.00 5.68 19.91 0 0.00%
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) - - - - - -
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) - - - - - -
K4641 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術(副甲状腺摘出術) - - - - - -
当科の特色として扁桃周囲膿瘍での入院加療を目的とした紹介受診が多く,このため扁桃周囲膿瘍切開術の件数が多い傾向にあります。急性扁桃炎にて入院加療が必要となるケースも多く,扁桃炎を繰り返す例や,扁桃肥大に起因する小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群や鼾に対して,手術適応を検討した上での口蓋扁桃摘出術を行っております。また,鼻副鼻腔疾患,特に慢性副鼻腔炎や副鼻腔真菌症などに対しては,従来からより安全にかつ効率的に手術を行うため,内視鏡下での操作(内視鏡下鼻・副鼻腔手術)を行っております。術後の鼻内のガーゼ抜去に伴う疼痛を軽減すべく,医療用剤を工夫しております。術後入院期間は,短縮傾向にあります。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 11 0.09 3.00 80.36 0 0.00%
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - - - - - -
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - - - - - -
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) - - - - - -
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満) - - - - - -
皮膚腫瘍の種類は数多く、それぞれの性質は異なります。当科では豊富な臨床経験をもとに画像検査や組織検査などを加えて正確な診断を行い、皮膚悪性腫瘍については必要かつ最小限での外科的治療を施行します。術後の合併症の恐れがあると判断された場合は入院で行います。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 256 1.30 2.75 60.30 1 0.39%
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 180 0.68 4.31 68.29 8 4.44%
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 124 1.35 5.69 72.84 2 1.61%
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 60 1.03 11.00 68.52 0 0.00%
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 49 0.02 1.06 50.10 0 0.00%
当院では経尿道的尿管・腎結石破砕術を主に硬性・軟性尿管鏡を用いてホルミウムヤグレー ザーで破砕しています。抽石術を併用して短期入院を確保しています。緊急性を要する尿路閉塞や閉塞性急性腎盂腎炎に対して尿管ステント留置術を行っております。当院では膀胱 癌に対しては主に生理食塩水を灌流液とするTURisシステムを採用しています。狭帯域内視鏡(narrow band imaging ; NBI)システムを用いた手術、セカンドTURBTを実施し表在性膀胱癌の治療成績向上を目指しています。腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術は、ダビンチサージカルシステムを用いた前立腺癌に対する内視鏡治療です。前立腺癌や腎癌部分切除は全例ダビンチによる内視鏡手術で実施しています。体外衝撃波腎・尿管結石破砕術は、体外衝撃波を用いて腎結石、尿管結石を破砕して治療する手術で、当日入院で対応しています。結石の状態に依存しますが患者さんのご要望があれば緊急手術でも対応しています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 158 2.35 2.73 67.73 3 1.90%
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 93 2.84 9.09 73.33 0 0.00%
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 51 0.02 10.27 66.75 1 1.96%
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 31 0.13 10.90 68.32 0 0.00%
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 26 0.88 1.35 67.92 0 0.00%
狭心症や心筋梗塞では心臓に栄養や酸素を供給している冠動脈という血管が、動脈硬化により狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして血液の流れが悪くなり、心臓に栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなります。治療は、この狭窄ないしは閉塞した動脈を再度広げ、十分な血流を回復させることが必要となります。また手や足の血管 が同様に狭窄や閉塞を起こして血流が悪くなることで,手足が痛くなったり、冷たくなったり、傷ができてしまう末梢動脈疾患や重症下肢虚血といった疾患も循環器領域の重要な疾患です。これらに対する治療として、手や足の付け根からカテーテルとうい管を挿入し、バルーンという風船で血管を拡張したり、ステントという金網を留置して血流を回復させる カテーテル治療を行っています。当院は狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療は年間約300件、下肢動脈に対するカテーテル治療は年間約100件であり、共に良好な治療成績を得ております。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 24 2.08 6.92 74.04 0 0.00%
K610-3 内シャント設置術 18 5.33 9.22 69.83 0 0.00%
K607-3 上腕動脈表在化法 - - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - - -
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) - - - - - -
当科では血液透析の導入が必要になった症例に対して自己血管を用いた内シャント造設術を施行しております。また低心機能であったり、自己血管が退廃しているなどで自己血管による内シャント設置が困難である場合は、上腕動脈の表在化を行ったり、透析用の留置カテーテルを設置したりしています。またシャントの使用などでトラブルが生じたりした場合、狭窄した血管を拡張させる経皮的シャント拡張術、不要なシャントを閉鎖する血管結紮術などを施行したりしています。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) - - - - - -
K331 鼻腔粘膜焼灼術 - - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - - -
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) - - - - - -
自己末梢血幹細胞移植 血液を構成する白血球、赤血球、血小板の全ての細胞の源となる細胞を造血幹細胞と言います。造血幹細胞は主に骨髄に存在し、末梢血中にはほとんど存在しません。化学療法からの骨髄回復期などに顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)という薬剤を投与すると造血幹細胞が増加し末梢血に多量に出現します。その時期に血液から血液成分分離装置を介して末梢造血幹細胞を分離採取し凍結保存します。主に悪性リンパ腫や多発性骨髄腫治療において抗がん剤を大量に投与し残存悪性細胞を死滅させ、その際正常骨髄を回復させるべく、凍結保存しておいた自己末梢血幹細胞を移植(輸注)する方法です。当院でも自己末梢血幹細胞採取が可能であり、治療適応を考慮しつつ行っております。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 199 0.46 1.04 67.45 0 0.00%
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 30 4.10 10.20 81.57 2 6.67%
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 19 4.05 7.26 71.26 1 5.26%
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 15 2.13 9.53 69.33 0 0.00%
K654 内視鏡的消化管止血術 15 0.73 8.33 68.13 0 0.00%
当科で最も多い手術(内科的処置)症例は、大腸の内視鏡的ポリーブ・粘膜切除術です。観察時には色素内視鏡や拡大内視鏡でポリープの質的診断を行い、切除の適応を決定します。心筋梗塞や脳梗塞・不整脈などで抗血栓薬内服中の患者さんも多く、出血の危険性が高いケースにも柔軟に対応しています。
次に多いのが、内視鏡的胆道ステント留置術です。胆道(胆汁の流れ道)の閉塞を来して黄痘や胆管炎などを起こした症例(またはその予防)に対して行われます。総胆管結石や慢性膵炎などの良性疾患、肝胆障の悪性疾患(癌)などが対象となります。良性疾患では、安価で着脱可能なプラスチックステントが、癌では診断がつくまで(または手術までの減黄目的の症例)はプラスチックステント、診断がついた後で恒久的な減黄(黄疸を改善すること)が必要な症例は金属ステントを留置します。
特に、化学療法を施行する肝胆膵の癌の症例では、化学療法中の胆管炎合併は致死的になり得るため、胆道ドレナージ(感染胆汁を排出すること)を適切 に行うことが前提であり、胆道ステント留置により、安全に化学療法を継続することが可能となっていまo 複数本の留置や複雑な症例にも対応しています。
3番目に多いのが、内視鏡的乳頭切開術です。総胆管結石などの症例で、施行します。胆汁の出口の狭い部分(十二指腸乳頭)を切って拡げることで、石を出しやすくします。その後に石を掻き出します。出血や穿孔・膵炎などの副作用/合併症の危険性もありますが、当科では、重大な合併症は少なく、安全に施行しております。
糖尿内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
平均
年齢
合計
転院
転院率
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - - -
K754-2 腹腔鏡下副腎摘出術 - - - - - -
K0021 デブリードマン(100cm2未満) - - - - - -
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) - - - - - -
K704 膵全摘術 - - - - - -
当科単独での外科的治療は行っておりませんが、糖尿病の合併症として下肢の骨髄炎、壊疽、 血栓症などで手術が必要になる患者さんは少なくなく、院内他科に依頼して手術を行うこともあります。心筋梗塞も糖尿病を合併していることが多く、膵臓疾患や大腸疾患も血糖値を上げる原因となることがあり、これらの病気の治療を同時に行うこともあります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および術前・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 同一区分 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 01_同一 - -
02_異なる 21 0.24%
180010 敗血症 01_同一 18 0.20%
02_異なる 27 0.31%
180035 その他の真菌感染症 01_同一 - -
02_異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 01_同一 61 0.69%
02_異なる 13 0.15%
播種性血管内症候群は,感染症,悪性腫瘍,産科的疾患など,何らかの基礎疾患があって生じるが,平成 29 年度では発生率0.24%(前年度0.25%)と前年度と変化はありませんでした。その基礎疾患としては,急性骨髄性白血病などの血液腫瘍が大半であり,尿路結石からの急性腎盂腎炎が次に挙げられ、DIC治癒率は50%でした。
敗血症の発生率は0.51%で,前年とほぼ同数でした。原因としは尿路感染症が約36%と多く,これらは予後良好でしたが,その他,血液腫瘍や消化器がん,心筋梗塞などの重篤な基礎疾患 を伴う場合は,予後不良でした。
その他の真菌感染症は,平成29年度も10名未満であり,上記一覧には記載がありません。
手術・処置等の合併症が74例(0.84%)と前年度と同等でした。透析シャントの狭窄,人工関節置換術の緩みや脱臼といった経年的変化に対して入院加療を要した32 例が大半を占 めておりました。その他は,術後創部感染症,胆管・冠動脈・尿管ステントといった経年的 変化に対して入院加療を要した症例,内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除などによる術後出血,術後創部感染などが挙げられます。
更新履歴
2020/10/01
令和元年度臨床指標
2019/10/01
平成30年度臨床指標
2018/10/01
平成29年度臨床指標
2017/09/29
平成28年度臨床指標
2016/09/30
平成27年度臨床指標