小児アレルギーセンター

小児アレルギーセンター設立について

同愛記念病院は戦後一時期米軍病院として運営されていましたが、昭和30年に米軍から返還されました。再開時に日本のアレルギーのセンターとして位置づけられ、アレルギー・呼吸器科とともに小児科は多くの喘息をはじめとするアレルギー疾患患者の診療を行ってきました。かつては日本小児アレルギー学会の本部があり、「同愛の治療が日本のスタンダード」と言われ、満川元行先生、馬場實先生のもと、名実ともに日本の小児アレルギー診療の中心として運営されてきました。

現在も小児の喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの診療実績は非常に多く、その経験と新しい科学的なエビデンスに基づいた診療を行っています。年齢とともに異なるアレルギー疾患が生じてくることをアレルギーマーチと呼び世界中で認知されています。このアレルギーマーチという現象に気づき、名付けたのが馬場實先生です。

同愛記念病院ではこのたび、「小児アレルギーセンター」を設置し、総合的にアレルギー疾患を診療していくことになりました。満川先生、馬場先生の病気をみるのではなく、人間の身体、心、発達など総合的にみていくことが小児科である、という精神を受け継いでいきます。

さらに診療所、行政、学校、幼稚園、保育園と連携し、疾患の啓蒙、公衆衛生活動などを通じて地域貢献に参加してまいります。

小児アレルギーセンターの診療内容・特色

小児のアレルギー疾患として、食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などすべてのアレルギー疾患が対象疾患となります。

私たちが目指す第一として適切な診断による標準的な治療です。第二は患児、保護者のみなさまに十分な時間を取り説明をし、疑問を聞くことです。それが不安を少なくして積極的な治療の取組みにつながると考えています。アレルギー疾患は経過が長く、同時にさまざまな病気を同時に持つことも少なくありません。このため長期間にわたり通院する必要もあり、患児、保護者のみなさまと信頼関係を築けるよう努力いたします。

食物アレルギー

食べることは子どもにとって非常に大事なことだと考えています。栄養面だけでなく、人間関係、知識など子どもの成長には欠かせません。除去食を必要最低限として、不必要な除去がないように管理します。診断のためには血液検査、皮膚検査、食物経口負荷試験を行います。食物経口負荷試験は年間1,000件以上実施しており、確実な診断法であると考えています。安全を第一に個々の状態、段階に応じた負荷試験を実施しています。治療としては原因食物を摂取可能な量から食べ始め、徐々に増やしていく食物経口免疫療法を行っています。まだ、研究段階ですが当科では経皮免疫療法を行っています。鶏卵と牛乳で実施し、全例ではありませんが効果を確認しています。

気管支喘息

年少児は的確な診断が重要であり、喘息と診断されている年長児は継続的な治療と評価が重要です。血液検査やエックス線検査に加え、肺機能検査、気道抵抗の検査、呼気中一酸化窒素の濃度測定などで客観的な評価を行っています。治療はガイドラインに基づく標準治療が大事ですが、一人ひとりをきちんと診たうえでの治療を選択します。

大人に持ち越さないよう、しっかりと症状がない状態を続けることが重要です。私たちの恩師の馬場實先生はこれを0レベル作戦と名付けました。

思春期ぜん息外来について

アトピー性皮膚炎

病状や原因をしっかりと評価した上で、スキンケア、軟膏処置などガイドラインや最新の知見に基づいた標準的な方法をお話しさせていただき、治療をすすめていきます。

アレルギー性鼻炎

たかが鼻炎ではありますが、悪化すると慢性咳嗽や副鼻腔炎、中耳炎などが起きてくることも珍しくありません。年少児では不機嫌の原因となり、睡眠障害などが起きることもあります。たかが鼻水、鼻づまりと思わずに治療することをお勧めします。

その他

繰り返すじんま疹、アレルギー性結膜炎なども対象疾患です。

アレルギー専門医の使命として診療以外にも知識、経験を役立てたいと考えています。アレルギーに関することでしたら,何でもご相談ください。

また、より効果の優れた治療を開発するための臨床治験や全国的な他施設との臨床研究も積極的に行っています。アレルギー疾患の原因究明や治療の発展に貢献すべく臨床研究も行っていきます。

専門医教育について

当科は日本アレルギー学会認定指導医が1名、認定専門医が1名在職しており日本アレルギー学会認定アレルギー専門医教育研修施設となっています。

小児アレルギーセンター長 増田 敬

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