心臓病・血管病

急性下肢動脈閉塞症(きゅうせいかしどうみゃくへいそくしょう)

急性下肢動脈閉塞症は心臓や大血管にできた血栓が血液の流れにのり、下肢動脈まで到達し血管を閉塞する病気です。放置すると下肢切断や筋腎代謝症候群(壊死した筋肉などから有害な物質が血液中に流れだし生命を脅かす状態)などの重篤な状態に陥ります。急激な下肢の痛みや色調不良を認めた場合には救急車を要請し専門機関を受診する必要があります。通常は外科的に血栓を除去する方法がとられますが、当院では切開を行わずにプラスチックの細長い管を血管に挿入することにより(経皮的フォガティーバルーン血栓除去術)良好な治療成績をおさめています(治療実績へ)。とくに超高齢者などにおいても有効な治療法です。
下記表は当院で施行した経皮的フォガティバルーン血栓除去術の治療成績です。ご高齢の方が多く含まれておりますが、全例において下肢の血流回復が得られています。

経皮的フォガティーバルーン血栓除去術治療成績 (2012年4月~2014年7月)

患者数 12人
平均年齢 80±10歳
再灌流成功(足関節以下まで) 12人 (100%)
下肢切断(小切断+大切断) 0 (0%)
原因 30日以内に亡くなられた方 1人(8.3%)
筋腎代謝症候群 1人

深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう・はいけっせんそくせんしょう)

深部静脈血栓症はおもに下肢の静脈に血栓ができる病気です。長時間の飛行機やバスの移動中に下肢を動かさないことや腫瘍などによる静脈の圧迫などによる静脈のうっ滞に血栓ができやすい体質などが重なり発症します。下肢静脈にできた血栓による血流障害のため下肢が異常にむくんだり、緊満した状態になります。また、下肢静脈にできた血栓が静脈の流れに乗ってしまうと肺の動脈に到達し、肺動脈血栓塞栓症と呼ばれる状態になります。肺の動脈に血栓が詰まると肺の重要な役目である体内への酸素の取り込みが困難になります。呼吸困難や重篤な場合には心肺停止に至る重篤な状態です。
肺動脈血栓症に対しては重症度により治療方法が異なりますが、当院ではガイドラインに沿って最も適した治療方法を選択しています。深部静脈血栓症に対しては施設により治療方法が異なっているのが実情ですが、当院では下肢にできた血栓の多くが取り除かれた状態で退院して頂くために、カテーテル治療を用いて血栓の除去を行っています。