血管造影を用いた治療

血管造影を用いた様々な治療法

血管造影は、血管を撮影するだけでなく、細い血管にまでカテーテルという管を挿入する技術を利用して、様々な治療を行うことが可能です。例えば、癌病変を栄養している血管にカテーテルを挿入して、癌病変だけに抗癌剤を高濃度に注入したり、その血管を塞栓してしまうことによって癌病変を壊死させたりすることができます。その他、止血困難な動脈性出血を止血したり、動脈硬化で細くなった血管を拡張させて血流を改善させたりもできます。一例をご紹介しましょう。

肝癌に対する塞栓療法(TAE)

まず、肝癌の正確な診断のために、門脈造影を行ったCT(CTAP)を撮影し、ついで肝動脈から造影したCT(CTHA)を撮影します。CTAP、CTHAは肝臓腫瘍の診断には最も有効な方法ですが、まだ施行している病院は限られています。病変が確定したら、様々に枝分かれした肝動脈の中から腫瘍を栄養している血管を見つけ、その血管にカテーテルを挿入し、抗癌剤や塞栓物質を注入します。

CTAP画像
CTAP画像
門脈造影を行うと正常肝実質は白く染まりますが、腫瘍は染まらず黒く残ります。
5mm程の小病変でも検出可能です。
CTHA画像
CTHA画像
肝動脈造影を行うと腫瘍は白く染まります。

動脈硬化による狭窄血管の拡張術(PTA)

下肢の血管が動脈硬化で細くなり血流が悪くなると、少し歩いただけでふくらはぎなどの筋肉が痛くなり、休みながらでないと歩けない間欠性跛行という症状が出ます。手術で治療する場合は、人工血管や他の場所から採取した静脈を用いて、細くなった部分の前後をつなぐバイパス手術が行われます。血管造影で治療する場合は、バルーンカテーテルという拡張用のカテーテルを細くなった部分に通し、拡張させます。

血管閉塞部
大腿部で下肢の動脈が閉塞しています。
再開通した動脈
閉塞血管の拡張後症状は消失しました。

透析シャントの拡張術(シャントPTA)

人工透析を行っている患者様のシャント不全に対する治療法です。従来はシャントが使えなくなったら再手術でシャントを作り直していましたが、シャント流量が低下してきたらまず試してみるべきです。当院では外来透析は行っていませんが、他院からの依頼を受けて施行しています。待機できない場合が多いので、時間外に施行することが多い手技です。

シャント吻合部での狭窄
シャント吻合部での狭窄
静脈側への血流がなく、シャントとしては使えません。
吻合部の拡張後
吻合部の拡張後
静脈側への血流が得られ、シャントを作り直さずにすみました。
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