救急臨床研修プログラム

はじめに

当院は365日24時間二次救急施設であり、当救急外来へ救急隊による搬送来院、あるいは自力で訪れる救急患者全般に対して、基本的な診断及び治療ができ、必要な場合には各専門科に診療依頼ができるよう技術を習得する。具体的には将来、研修医が日常救急診療で遭遇することの多い診療を指導医と共に経験する。さらに東京都の救急体制の現状を理解する。

一般目標

具体的には以下の目標がある。

  1. 救急隊からの診療依頼に対し、よくその内容を理解し、二次救急医療機関としての果たすべき役割を理解する。
  2. いかなる場合に高次医療が必要とされるかの判断ができ、必要があれば、迅速、的確に高次医療機関へ搬送できる。
  3. 救急医学の臨床的特徴を学び、救急医療の重要性、特殊性を理解する。
  4. 救急患者のバイタルサインの把握ができ、重症度評価を学び、それぞれに応じた対処法を修得する。
  5. 基本的な救急救命処置は修得し、一時救命処置が指導できる。さらに二次救命処置として呼吸、循環管理を含む機器を使用した救命処置ができる。
  6. 専門医に適切なコンサルテーションができる。
  7. 大災害時の救急医療体制を理解し、自分の果たすべき役割を理解する。

行動目標

  1. 救急医療の特殊性を理解し、緊急時における、患者―医師関係、医師-患者家族関係を良好に保ち、緊急時におけるインフォームドコンセントが迅速にできる。
  2. 救急医療現場はチーム医療であり、その中で自分の役割を理解し、行動できる。救急隊からの情報収集ができ、提出書類の記載ができる。
  3. 救急現場において、迅速な判断、処置をいかに安全に行うか安全管理、さらに救急における感染防止についても学ぶ。
  4. 診断、治療における検査機器、蘇生機器の使用、診断処置の記録、薬剤投与について修得する。

経験目標

経験すべき新療法、検査、手技

  1. 基本的な救急患者の身体診察法
    1. 救急患者のバイタルサインをとり、記載できる。
    2. 救急患者の重症度が評価でき、記載できる。
    3. 頭部疾患において、外傷の診断、意識状態の把握ができ、それを記載でき、かつ頭蓋内の異常が身体所見からどこまで把握できるか学ぶ。
    4. 胸部疾患では外傷の有無の診察、循環器疾患、肺疾患の鑑別ができる。
    5. 腹部疾患において急性腹症、腸閉塞、吐下血の診断及び保存的療法、手術の適応が判断できる。
  2. 基本的な臨床検査 
    1. 血液検査の中でどの項目が緊急で必要か、尿検査では何が緊急で必要かを指示し、結果を判定できる
    2. 画像では特に、胸部、腹部単純X線写真の読影、大腿骨など骨折のX線写真の読影ができる。X線CT検査を指示し、基本的な疾患の読影ができる。
    3. 超音波検査を自身で行い、基本的な超音波診断ができる。また、腹水、胸水の診断と穿刺、排液ができる。
  3. 救急処置:特にどの処置が優先されるべきかを実地研修する。
    1. 救急蘇生
      以下の処置ができるように研修する。
      • 管内挿管、心臓マッサージ(小児、成人)
      • 除細動器が使用できる。
      • ラインが確保できる。
      • さらに救急薬品の適応と使用法を研修する。
    2. 救急外傷
      頭部外傷、救急頭蓋内疾患の診断と応急処置を経験、研修する。
      三次救急への搬送適応の判断ができるように。
      簡単な創処置、創縫合ができるように経験、研修する。
    3. 循環器、胸部救急疾患
      不整脈、狭心症、心筋梗塞の診断と治療、三次救急への搬送適応の判断ができるように経験、研修する。
      気管支喘息は特に当院で多く経験する疾患であり、重症発作を診断し、その救急対応を経験、研修する。
      気胸、血胸、肋骨骨折の救急処置を経験、研修する。
    4. 腹部救急疾患
      外傷:臓器損傷の診断、重傷度を判定し、手術適応を理解する。
      腹膜炎、腸閉塞の診断および救急処置と緊急手術適応について経験、研修する。
    5. 整形外科疾患
      骨折、脱臼の診断、整復、応急処置、緊急手術適応について経験、研修する。
    6. 泌尿器科疾患
      血尿の診断と処置を経験、研修する。 
      尿閉の診断と処置を経験し、特に導尿ができるように研修する。
      腎、尿路系結石発作の診断処置について経験、研修する。
    7. 耳鼻科疾患
      鼻出血の応急処置を経験、研修する。
      めまいの救急対応を経験、研修する。
    8. 小児科救急疾患
      小児二次救急も一部曜日ではあるが始まっており、急患室を訪れる患者さんも多く、それらを経験し、primary careを研修する。また、小児科の特殊性を理解し、保護者に適切な説明ができるよう研修する。
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