令和4年度 同愛記念病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 344 178 281 339 460 743 1046 1868 1563 333
令和4年度DPC対象の全退院患者数は7,155人と、前年比-226人でした。新棟移転に伴う手術・入院制限が影響したものと考えられます。当院の退院患者数は60歳以降の占める割合が高く、全体の67%を占めています。令和3年度と比べ、 ①小腸・大腸の良性腫瘍(内視鏡的大腸ポリープ切除)②慢性不整脈(経皮的カテーテル心筋焼灼術)③肘・膝に関連する診断群分類の3項目が特に増加しました。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
170020xxxxxx0x 精神作用物質使用による精神及び行動の障害 定義副傷病なし 11 1.09 3.45 0.0% 33.82
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 10 13.80 13.61 0.0% 81.20
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 21.11
100380xxxxxxxx 体液量減少症 11.15
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 処置2なし 19.61
当科は初療,あるいは特定の専門的医療によることなく総合的な医療を要する患者さんを主な対象としています。このため令和4年度はアルコール中毒・脱水症が救急搬送症例で、誤嚥性肺炎・ (腎盂腎炎に至る症例も含め) 尿路感染症・敗血症は地域の医療機関や老人施設からのご紹介で多く,扱い症例の上位を占めたものと考えます。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 処置2なし 26 16.58 18.57 0.00% 72.50
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置等1_2あり 処置2なし 定義副傷病なし 13 12.54 3.05 7.69% 77.23
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 11 20.82 21.11 27.27% 86.18
0400801499x012 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 処置2なし 定義副傷病あり A-DROP スコア2 18.95
0400801499x013 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 処置2なし 定義副傷病あり A-DROP スコア3 19.91
間質性肺炎では病態が進行すると労作時息切れが生じ,在宅酸素療法が必要となる患者さんもおられます。治療はステロイド薬が主体ですが,最近では抗線維化薬を積極的に導入しています。当院では個々の患者さんの病態に合わせて薬剤投与や酸素療法など適切な治療を導入することにより,生活の質の向上に努めております。肺野病変が認められた場合には積極的に気管支鏡検査等を行い,適切な診断のもと適切な治療(抗がん化学療法、抗菌薬等)に繋げます。胸水はあらゆる原因(悪性腫瘍,結核,その他)によって起こってきますが,原因検索のため胸腔鏡を積極的に実施しています。誤嚥性肺炎は加齢に伴う嚥下機能低下に伴い生じ,治療は抗菌薬投与に加え嚥下評価のもとにリハビリ等を行います。その他,気胸,市中肺炎,慢性閉塞性肺疾患等,病状に合わせ適切な治療を提供します。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 処置1あり 220 1.01 2.09 0.00% 3.85
140010x199x0xx 妊娠期間短縮,低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 処置2なし 50 6.90 6.13 4.00% 0.00
040090xxxxxxxx 急性気管支炎,急性細気管支炎,下気道感染症(その他) 5.89
040100xxxxx00x 喘息 処置2なし 定義副傷病なし 6.05
040070xxxxx0xx インフルエンザ,ウイルス性肺炎 処置2なし 5.56
【食物アレルギー 処置等 1 あり】
食物アレルゲンの摂取によりアナフィラキシーの可能性が高いハイリスクの食物アレルギーに対する経口負荷試験は,1泊または日帰り入院で実施しています。食物アレルギーは低年齢児に多く,平均年齢は3.85歳でした。令和4年診療報酬改定により,小児食物アレルギー負荷試験は「16歳未満,年3回」と算定要件が拡大されたため,令和4年度は全例で「処置あり」の算定が可能となりました。実施件数は,COVID-19感染拡大の影響で令和4年9月まで小児科予約入院が全面休止となったため,前年度を大きく下回りました。しかし,食物アレルギー患者は増加傾向にあり,今後も小児食物アレルギー負荷検査の需要は大きいと考えられます。
【妊娠期間短縮,低出産体重に関する障害(2,500g以上)】
妊娠期間37週未満の早産児,出生時体重2,500g未満の低出生体重児,妊娠糖尿病や甲状腺疾患合併妊娠からの出生児は,新生児仮死,低血糖,呼吸障害,病的黄疸などを生じるリスクが高いため, 小児科入院として管理しています。また出生後,感染症,呼吸障害,低血糖,病的黄疸などを呈した軽症から中等症の新生児に対しても入院加療を行っています。令和4年度は5月まで新型コロナウイルス感染の影響ですべての分娩が休止となったため,小児科入院の新生児数も減少しました。(分娩件数:令和2年度321件→令和3年度207件→令和4年度173件)
【インフルエンザ,ウイルス性肺炎 処置 2 なし】
令和4年度は7月をピークにRSウイルス感染症やヒトメタニューモウイルス感染症による急性気管支炎・細気管支炎・肺炎が流行し,特に低年齢児は入院を必要とする例がありました。平均年齢は0.67~1.38歳で,そのうち重症化し高次医療機関に転院となった例が11.11%ありました。令和4年度も前年度同様,コロナ病床確保のため小児の急性入院病床の調整ができず,呼吸器感染症による入院患者数はコロナ前に比べ減少しました。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 89 5.60 4.59 0.00% 74.44
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリ ープ・粘膜切除術 77 2.71 2.64 0.00% 70.42
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 43 9.16 6.93 0.00% 60.51
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除,亜全 切除又は悪性腫瘍手術等 処置1なし 定義副傷病なし 35 21.37 15.40 0.00% 71.14
060020xx9905xx 胃の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2_5あり 33 3.79 6.65 0.00% 74.21
当科が扱う疾患は,ヘルニア,胆石症等の良性疾患から,大腸がん,胃がん,食道がん,乳がん等の悪性疾患まで幅広く,対象とする臓器は大腸,小腸,胃,食道,肝臓,膵臓,乳腺,肛門疾患と多岐にわたっています。手術の特徴としては,低侵襲手術である腹腔鏡手術や内視鏡手術を積極的に行っております。また,術前後の化学療法も行っており,根治的手術の達成と再発リスクの減少,予後の延長を目指しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死,股関節症(変形性を含む) 人工関節再 置換術等 118 18.94 20.14 5.93% 70.58
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む) 人工関節再置換術等 92 25.10 22.44 3.26% 75.50
160620xx01xxxx 肘,膝の外傷(スポーツ障害等を含む) 腱縫合術等 91 13.08 13.19 0.00% 25.05
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩,股等 77 31.51 26.42 66.23% 80.74
070050xx97xxxx 肩関節炎,肩の障害(その他) 手術あり 57 21.12 20.55 1.75% 66.56
股関節の軟骨が磨り減り,股関節を構成する骨にも変形が生じると,痛みのため歩行が困難となり日常生活にも支障をきたします。人工股関節置換術により痛みから解放され,股関節の動きも良くなり,痛みなく歩行可能となります。膝関節の軟骨が磨り減って変形が著明となり歩行困難となる変形性膝関節症に対しても,人工膝関節置換術により膝関節の変形が改善し,痛みもなく歩行可能となります。肩の障害では肩腱板断裂が多くみられます。関節鏡下での低侵襲手術により断裂した腱板を修復すると,肩周囲の痛みが消退し,腕がスムーズに上がるようになります。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)等  処置1なし 11 3.73 3.94 0.00% 48.09
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く) 四肢・躯幹軟部腫 瘍摘出術等 処置1なし 11 3.55 5.29 0.00% 52.55
160200xx02000x 顔面損傷(口腔,咽頭損傷を含む) 鼻骨骨折整復固定術等 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 4.72
070395xx970xxx 壊死性筋膜炎 手術あり 処置1なし 35.86
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 処置2なし 2.90
体表の疾患に対し幅広く手術治療を行っていますが,術式が細分化されるため,疾患の傾向は反映していません。実際の入院手術は,麻酔科管理が必要な脂肪腫などの比較的大きな良性軟部腫瘍切除,糖尿病・虚血による足潰瘍に関連する足切断術,腐骨摘出術,植皮術が上位になります。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 62 5.66 5.98 0.00% 42.68
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む) 腹腔鏡 によるもの等 41 5.88 6.04 0.00% 37.93
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 26 2.85 2.81 0.00% 41.96
120100xx02xxxx 子宮内膜症 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 20 6.00 6.47 0.00% 39.10
120140xxxxxxxx 流産 18 1.94 2.45 0.00% 32.39
婦人科の低侵襲手術症例が上位を占めています。子宮筋腫や卵巣嚢腫等の良性腫瘍のほか子宮内膜症や子宮内膜ポリープの症例が増加しており,一部は不妊治療中の手術適応症例も含まれます。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障,水晶体の疾患 手術あり 片眼 114 1.98 2.63 0.00% 76.85
角結膜疾患,白内障,緑内障をはじめ,糖尿病網膜症,網膜静脈閉塞症,ぶどう膜炎,加齢黄斑変性等の眼底疾患に対し,幅広く診察治療を行っています。最も多い疾患は白内障で,手術は入院(日帰り,もしくは一泊から二泊入院)にて行っています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 43 4.86 6.23 0.00% 53.40
030350xxxxxxxx 突発性難聴 20 9.30 8.56 0.00% 56.00
030340xxxxxxxx 血管運動性鼻炎,アレルギー性鼻炎<鼻アレルギー> 19 4.37 5.40 0.00% 43.74
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 17 4.00 4.79 0.00% 62.24
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍,急性扁桃炎,急性咽頭喉頭炎 手術なし 17 5.18 5.69 0.00% 31.12
入院の主体は内視鏡下鼻・副鼻腔手術を目的とした炎症性鼻副鼻腔疾患(難病指定されている好酸球性副鼻腔炎が大半を占める)で,4泊5日程度の短期入院で加療しています。鼻閉塞感や水様性鼻漏を主症状とする慢性病態には血管運動性鼻炎や通年性アレルギー性鼻炎(ハウスダストアレルギー)があり,舌下免疫療法等保存的加療でも十分な治療効果を得られない場合は,経鼻腔的翼突管神経切断術を目的に2泊3日入院で対応します。重度の咽頭部痛・飲水困難からの脱水を伴う急性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍では緊急入院となりますが,令和4年度もCOVID-19禍にあって全国的な急性上気道炎罹患数の減少により,入退院数は増加しませんでした。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 処置1なし 36 12.19 13.50 2.78% 67.08
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 28 7.71 9.25 0.00% 72.00
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)等 処置1なし 3.94
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index 10未満) 手術なし 処置2なし 12.46
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等  処置2なし 7.29
頭頸部領域発症や免疫不全患者における帯状疱疹急性期には,約7日間の入院の上,抗ウイルス薬の点滴静注を行い,合併症に対する治療を合わせて行っています。皮膚良性腫瘍は出血の可能性が高い部位や切除面積が大きい場合に短期入院の上,切除を行い,創部の状態が安定してから退院していだいております。基底細胞上皮癌,ボーエン病などの皮膚悪性腫瘍(上皮内癌)に対して短期入院の上,切除を行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 247 4.47 5.29 0.00% 60.29 経尿道的腎尿管/膀胱結石破砕術(TUL/VL)を受けられる方へ
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 処置1あり 190 3.07 2.45 0.00% 71.05 前立腺生検(前日入院)を受けられる方へ
110420xx02xxxx 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 75 3.68 4.11 4.00% 68.24 尿管ステント留置・交換術、逆行性尿路造影術(RP)を受けられる方へ
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 74 9.88 13.61 1.35% 69.74 急性腎盂腎炎で⼊院された⽅へ
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 69 10.84 11.30 0.00% 68.55 ロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘除術を受けられる方へ
最も多いのは上部尿路結石への外科治療で,内視鏡を用いて尿管や腎盂の結石を破砕除去する治療です。2番目は前立腺がんの診断目的に行う針生検検査や除精術で,MRIを用いたターゲット生検を含みます。3番目は結石や狭窄した尿管にステントを留置して拡張する手術です。4番目は閉塞性腎盂腎炎に関する治療です。5番目は前立腺がんに対するロボット支援下内視鏡治療です。本来は膀胱癌に対する内視鏡治療が127件ございますが,DPCコードが複数に細分化されており掲載されていません。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 処置2なし 79 4.08 4.65 0.00% 66.89
050050xx0200xx 狭心症,慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等  処置等1_なし,1,2あり 処置2な 41 3.44 4.26 0.00% 72.07
050130xx97000x 心不全 その他の手術あり 処置等1_なし,1あり  処置2なし 定義副傷病なし 39 22.36 22.51 5.13% 79.31
050130xx9900x0 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 他の病院・ 診療所の病棟からの転院以外 36 18.69 17.54 11.11% 83.36
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 処置等1_なし,1,3あり  処置2なし 定義副傷病なし 29 10.10 9.89 3.45% 81.69
心臓は,全身に血液を循環させるポンプの働きをしている臓器です。狭心症や心筋梗塞では、心臓に栄養や酸素を供給している冠動脈という血管が動脈硬化により狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして血液の流れが悪くなり,心臓に栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなる疾患です。狭心症は,心臓の筋肉の血流不足によって胸苦しさや息苦しさが出現し,そして心臓の筋肉に血流が行き渡らなくなった状態が急性心筋梗塞であり,心臓のポンプ機能が低下して命に関わる危険な疾患で緊急治療が必要です。当院では,今後も積極的に狭心症や急性心筋梗塞に対するカテーテル検査・治療を行っていく方針です。また,R2年より不整脈に対する診療体制も整ったため、頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション,徐脈性不整脈に対するペースメーカー植え込み術も積極的に行えるようになりました。最近では高齢者の増加に伴い頻脈性不整脈や心不全患者数が増加しており,それらに対するカテーテルアブレーション治療を要する患者も増加しています。入院時の集中治療から退院後の患者様の生活にわたるトータルケアをコメディカルとの連携を図りながらチーム医療として実施するよう心がけています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成 術,吻合術 その他の動脈等 処置2なし 定義副傷病なし 22 5.05 7.59 0.00% 69.05
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 19 21.63 13.61 0.00% 75.42
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし  処置1なし 処置2_1あり 16 8.31 13.82 0.00% 70.31
110290xx99x0xx 急性腎不全 手術なし 処置2なし 15 18.33 14.44 6.67% 73.60
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし  処置1なし 処置2なし 13 9.77 11.77 0.00% 66.15
慢性腎臓病を基礎疾患に持つ患者さんの合併症(感染症等)治療や,腎機能障害が進行して血液透析が必要となった症例に対する血液透析用の内シャント造設,適切な時期での血液浄化療法導入目的が主体です。また何らかの理由により突然腎機能が低下してしまう(急性腎障害)症例に対しては,速やかに原因検索および加療を行い,腎機能障害の改善を図っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2_9あり 50 9.92 13.53 2.00% 70.54
130010xx97x9xx 急性白血病 手術あり 処置2_9あり 39 33.69 36.20 2.56% 77.97
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2_5あり 30 16.87 19.67 0.00% 74.67
130010xx99x9xx 急性白血病 手術なし 処置2_9あり 25 9.88 14.24 0.00% 86.32
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群 手術あり 処置2_4あり  定義副傷病なし 24 14.54 18.00 0.00% 84.13
非ホジキンリンパ腫の入院が多く,抗CD79b抗体と抗癌剤の複合体併用での免疫化学療法が増えています。移植非適応などの急性白血病に対しては,脱メチル化薬とBCL2阻害薬の併用療法を行っています。必要に応じて輸血やG-CSF製剤を使用します。ハイリスクの骨髄異形成症候群には従来通り脱メチル化薬による治療を導入します。以上の疾患について,初回治療は入院で行い,2回目以降は可能であれば外来化学療法に移行しております。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリ ープ・粘膜切除術 366 2.18 2.64 0.00% 67.88
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石,胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等  処置2なし 定義副傷病なし 88 8.11 8.94 0.00% 68.32
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 38 7.97 7.63 0.00% 63.79
130100xxxxx40x 播種性血管内凝固症候群 処置2_4あり 定義副傷病な 29 21.66 26.12 6.90% 75.14
060350xx99x00x 急性膵炎,被包化壊死 手術なし 処置2なし 定義副傷病 なし 19 10.16 10.33 0.00% 52.68
消化器内科では,消化管,胆膵,肝臓疾患のいずれにも幅広く対応しています。最も多い疾患として,消化管ポリープに対する粘膜切除術を行っています。地域近隣在住の高齢者や抗血小板薬,抗凝固薬を使用している方にも入院対応をしています。胆管結石,胆管炎,閉塞性黄疸にも入院での精査や治療を多く行っており,また播種性血管内凝固症候群を併発した重症の方や,地域急性期病院からの転院も受け,対応しています。その他,結腸憩室に起因した炎症ないし出血や虚血性腸炎などにも入院加療として,内科的保存治療ないし内視鏡的に止血対応をしています。
糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)  処置2_1あり 36 14.25 14.28 0.00% 65.19
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス,非ケトン昏睡 処置2なし  定義副傷病なし 11 15.27 13.43 0.00% 50.00
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)  処置2なし 11 9.73 10.80 0.00% 66.00
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 13.61
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 21.11
2型糖尿病患者の教育入院が主で,インスリン導入を必要とするケースが大半を占めている。また,劇症を含む1型糖尿病によるケトアシドーシス,糖尿病を基礎に持つ患者の高血糖緊急性や感染症などの急性病態に対する治療も行っている。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 15 27 24 17 1 7
大腸癌 21 35 18 27 10 38 1 9
乳癌 14 1 7
肺癌 35 15 1 7
肝癌 10 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌の総患者数は370名で,ほぼ令和3年度と同等でした。令和4年度はStageⅣの肺癌症例が増加しました。肺野病変が認められた場合は気管支鏡検査を,胸水を認める場合は胸腔鏡を積極的に行い,確定診断のもと各種治療(抗がん化学療法、抗菌薬等)に繋げております。また、StageⅠ・Ⅱの大腸癌症例が増加し,腹腔鏡下結腸切除術に繋がっております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 21 10.67 82.29
重症 14 26.79 88.36
超重症
不明
令和4年度は令和3年度と比較して中等症患者数が減少しましたが,全体的に変動はありません。肺野病変や胸水が認められた場合には積極的に気管支鏡検査や胸腔鏡検査を行い,適切な診断のもと治療に繋げています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内
その他
令和4年度の急性期脳梗塞症例は若干名でした。当院では神経内科は非常勤医体制であり,診断後病態によっては脳血管内治療専門医が常勤する基幹病院との連携を図っております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)
K0461 骨折観血的手術(大腿)
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
K013-21 全層植皮術(25cm2未満)
K054-2 脛骨近位骨切り術
誤嚥性肺炎治療後に嚥下機能評価を耳鼻科のご協力を得て行っておりますが,早期の経口摂取が困難と判断される場合に,早期の退院や栄養確保のため外科の協力のもと中心静脈栄養用のポート増設を行っています。また,当院では下肢の深部静脈血栓症に対して循環器科によるカテーテル治療や形成外科による皮膚移植術,あるいは病状改善が認められず止むをえない場合は下肢切断術などを行っています。このような症例は合併疾患が多いこともあり,またリハビリなどに時間を要する患者さんについては当科で担当しています。
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K488-4 胸腔鏡下試験切除術
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)
K496-5 経皮的膿胸ドレナージ術
K5091 気管支異物除去術(直達鏡)
K688 内視鏡的胆道ステント留置術
胸水はあらゆる原因(悪性腫瘍,結核,その他)によって起こってきますが,原因検索のため胸腔鏡を積極的に実施しています。その他,気管支異物は気管支鏡下の摘出を行います。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 92 1.53 3.84 1.09% 74.42
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 82 0.72 1.45 0.00% 70.98
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 65 3.26 5.00 0.00% 61.45
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 29 4.69 14.14 0.00% 70.52
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置 (頭頸部その他) 27 1.89 5.04 0.00% 74.04
腹腔鏡下手術は,腹部に5~12mmの穴を数カ所開けて,そこから腹腔鏡カメラや鉗子などの手術器具を挿入し,モニターに映し出される腹腔内画像を見ながら行う手術です。切除した病変は,臍の創を3~4cm程度に広げ,同部位から摘出します。腹腔鏡下手術は,通常の開腹手術と比較して術後疼痛などの身体的負担が少なく,傷も小さく,短期入院で回復が期待できる低侵襲な手術治療です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩)・(膝)・(股) 235 1.99 19.62 5.53% 73.08
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 79 1.00 11.13 0.00% 25.56
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕)・(下腿) 73 1.21 2.32 1.37% 46.08
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨)・(上腕)・(大腿) 53 3.25 22.00 37.74% 68.94
K0462 骨折観血的手術(前腕)・(手舟状骨)・(下腿) 50 2.18 6.60 6.00% 49.54
膝前十字靱帯損傷に対する関節鏡下靱帯再建術,変形性股関節症に対する人工股関節置換術,変形性膝関節症に対しての人工膝関節置換術を数多く行っています。サッカー,ラグビーや柔道選手では,しばしば膝前十字靱帯を損傷したことで競技人生が送れなくなってしまうケースがあります。こうした場合には,低侵襲な関節鏡下靱帯再建により膝関節を安定させて,早期の競技復帰を目指します。また,手術後のリハビリテーション計画をしっかり立て,競技復帰や生活の質向上を図ります。股関節の軟骨が磨り減り,股関節を構成する骨にも変形が生じると,痛みのため歩行困難となり日常生活に支障をきたすので,痛み無く歩行が可能となるよう,人工股関節置換術を積極的に行っています。膝関節軟骨の変形から歩行困難となる変形性膝関節症に対しても,人工膝関節置換術により痛みのない歩行を可能とします。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 13 1.00 2.08 0.00% 56.08
K0064 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径12cm以上)
K084 四肢切断術(足)
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)
K333 鼻骨骨折整復固定術
体表面の外傷,潰瘍,腫瘍等幅広く治療しています。主病名では糖尿病・虚血による壊死性筋膜炎・足潰瘍が実際には最多ですが,DPCコードでは細分化されるため,診断群分類別患者数では下位になっています。その他,脂肪腫などの良性軟部腫瘍,眼瞼下垂などが上位になります。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 43 1.07 3.91 0.00% 38.91
K872-31 子宮内膜ポリープ切除術(電解質溶液利用) 24 0.96 0.88 0.00% 42.04
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 21 1.00 4.57 0.00% 46.62
K8862 子宮附属器癒着剥離術(両側)(腹腔鏡) 18 1.00 3.94 0.00% 38.28
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 17 1.00 4.65 0.00% 35.41
低侵襲手術(腹腔鏡、子宮鏡手術)が主流であり, 早期の社会復帰を望む患者さんにとってニーズが高いと考えています。子宮全摘術についてはロボット手術と腹腔鏡下手術の双方を施行しています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 113 0.00 0.98 0.00% 76.97
K274 前房、虹彩内異物除去術
K279 硝子体切除術
眼科手術で最も多いのは,白内障に対する水晶体再建術(眼内レンズを挿入)です。局所麻酔下にて,極小切開創から超音波乳化吸引装置を用いて水晶体を乳化吸入した後,眼内レンズを挿入します。日帰り,もしくは一泊から二泊入院で行っています。当院で扱っている眼内レンズは保険適応の単焦点眼内レンズです。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 27 1.37 2.52 0.00% 51.07
K344 経鼻腔的翼突管神経切除術 24 1.25 2.21 0.00% 45.96
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 14 1.00 5.93 0.00% 29.14
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 11 0.18 3.82 0.00% 37.00
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 10 1.18 2.60 0.00% 58.10
慢性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎,慢性化膿性副鼻腔炎,歯性上顎洞炎,副鼻腔真菌症)に対する内視鏡下鼻・副鼻腔手術を安全かつ積極的に施行しております。薬物コントロール不良なアレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎に対しては,舌下免疫療法と共に,タービネートブレードを用いた粘膜温存手術(鼻甲介切除術)や経鼻腔的翼突管神経切断術を含めた集学的治療を行っております。経口摂取・飲水困難からの脱水に伴う扁桃周囲膿瘍症例は,COVID-19禍において全国的な急性上気道炎罹患数の減少を反映し横ばいです。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6 cm未満)
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満)
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm 未満)
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm 未満)
皮膚腫瘍に対して視診およびダーモスコピーによる観察を行い,必要に応じて画像診断を行った上で手術を行っています。光線角化症,Bowen病,有棘細胞癌,基底細胞上皮癌などが疑われた場合,皮膚生検による病理組織学的診断後,切除範囲を決定しています。顔面や頭部等の腫瘍切除の場合には入院加療を勧めています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 266 1.28 2.93 0.38% 60.96 経尿道的腎尿管/膀胱結石破砕術(TUL/VL)を受けられる方へ
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 200 0.82 3.97 5.00% 67.92 尿管ステント留置・交換術、逆行性尿路造影術(RP)を受けられる方へ
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 127 1.37 3.92 0.00% 74.80 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を受けられる方へ
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を 用いる) 69 1.03 8.81 0.00% 68.55 ロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘除術を受けられる方へ
K7981 膀胱結石摘出術(経尿道的手術) 29 1.24 2.97 6.90% 71.10 経尿道的腎尿管/膀胱結石破砕術(TUL/VL)を受けられる方へ
最も多いのは,尿路結石に対して経尿道的に内視鏡を挿入してレーザーや圧縮空気・超音波複合破砕装置を用いて破砕・抽石を行う手術です。2番目に多いのは,尿路の結石,感染や腫瘍による閉塞で生じた水腎症に対して尿管ステントを留置して尿の排泄を促す手術です。3番目は,膀胱がんに対して尿道から内視鏡を挿入して切除する手術です。画像強調観察技術を併用して観察・根治切除を補助します。膀胱の灌流液に生理食塩水を使用して合併症を軽減する方法です。4番目は,ロボット内視鏡支援機器を用いた前立腺がんの根治的切除手術です。5番目は,経尿道的に内視鏡を挿入して前立腺の肥大でできた膀胱の結石を破砕除去する手術です。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプ ローチ) 74 4.08 2.78 0.00% 70.72
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 45 2.91 3.18 0.00% 72.87
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 43 1.98 5.95 0.00% 77.35
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 25 4.64 2.56 0.00% 63.08
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 20 5.25 9.75 5.00% 80.65
狭心症や心筋梗塞では,心臓に栄養や酸素を供給している冠動脈という血管が動脈硬化により狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして血液の流れが悪くなり,心臓に栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなります。そのため,この狭窄や閉塞した冠動脈を広げ,十分な血流を回復させる治療が必要となります。また,手や足の血管が同様に狭窄や閉塞を起こして血流が悪くなることで,手足が痛くなったり,冷たくなったり,傷ができてしまう末梢動脈疾患や重症下肢虚血といった疾患も循環器領域の重要な疾患です。これらに対して当院では,手や足の付け根からカテーテルを挿入してバルーンで血管を拡張したり,ステントを留置して血流を回復させるカテーテル治療を積極的に行っています。また,R2年より冠動脈の高度石灰化病変に対して,従来施設限定使用であったロータブレーターやダイアモンドバックといった石灰化をデバルキング(削りとる)するデバイスが当院でも使用できるようになり,より難易度の高い病変に対するカテーテル治療が可能となっています。また,R2年より不整脈に対するカテーテルアブレーションも本格的に施行しています。特に心房細動は異常な電気が洞結節以外から発生して心房全体が無秩序に興奮している状態であり,この異常な電気が肺静脈付近から頻回に出ていることがわかっています。当科では症状が強く,薬物によるコントロールが困難な患者さんはもとより,慢性的な心房細動症例に対しても,経皮的カテーテル心筋焼灼術により肺静脈の周囲を焼灼する肺静脈隔離術を積極的に行っています。また,徐脈性不整脈では,脈が遅くなり脳への血流が一時的に途絶えることで,めまい,失神といった症状が起きます。このような場合にはペースメーカーの植え込みが必要となります。当院では最新式のMRI対応型ペースメーカーの植え込みを行い,通信機能を利用した遠隔モニタリングによる管理も可
能です。不整脈検出目的のループレコーダーの植え込み術も行っています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 34 5.88 4.29 0.00% 70.00
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 14 0.50 2.00 7.14% 78.43
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内 に実施)
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻 造設術を含む)
血液透析の導入が必要になった患者さんに対して,自己血管を用いた内シャント造設術を施行しております。また低心機能であったり,自己血管による内シャント設置が困難である場合は,透析用の留置カテーテルを設置しています。またシャントの使用などでトラブルが生じた場合,狭窄した血管を拡張させる経皮的シャント拡張術や不要なシャントを閉鎖する血管結紮術などを施行しています。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植)
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満)
K654 内視鏡的消化管止血術
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造 設術を含む)
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
移植適応の多発性骨髄腫や再発難治の悪性リンパ腫に対して自己末梢血幹細胞移植を行いました。悪性リンパ腫について,確定診断のためにリンパ節生検を行い,消化管出血を伴う症例では内視鏡的止血術を行い,腹腔内病変の圧迫による腎後性腎不全のリスクがある症例には尿管ステント留置術を行いました。声帯麻痺などで経口摂取不能の場合,よく検討した上で腎瘻造設術を行った症例がありました。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 331 0.20 1.07 0.00% 68.06
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 94 1.47 12.37 1.06% 72.73
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 36 0.94 1.33 0.00% 65.94
K6992 膵結石手術(経十二指腸乳頭) 19 1.11 2.32 0.00% 63.26
K6852 内視鏡的胆道結石除去術(その他) 18 2.17 6.50 0.00% 69.67
消化器内科では,大腸ポリープ,腫瘍に対する「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」や,2cm以上の腫瘍に対する切除(特掲診療)も施行しております。胆道悪性腫瘍に対する「内視鏡的胆道ステント留置術」や,胆道結石に対する「内視鏡的胆道結石除去術」を行っております。膵石を有する慢性膵炎疾患に対しても「膵結石手術」を行っております。
糖尿病内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む)
当科単独での手術は行っていない。専門領域に関連する手術はなく,一般内科疾患として誤嚥性肺炎などで経口摂取困難になった患者に対する胃瘻造設術を消化器内科に依頼して行った。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 61 0.83%
180010 敗血症 同一 10 0.14%
異なる 49 0.66%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 82 1.11%
異なる 19 0.26%
DIC(播種性血管内症候群)の発生率は前年度と同等で,発生率は0.83%で,多くは血液疾患が背景因子にありました。敗血症の発症率は増減無く,腎盂腎炎系の炎症性病態原が主たる要因です。真菌感染症は10名未満であり,表には記載がありません。手術・処置等の合併症の発生率は1.37%と横ばいでした。内訳は,関節手術後の経時的変化・感染が28%を占め,透析シャントの経時的狭窄・感染(17%),術後合併症(16%)が続きます。
更新履歴