平成27年度 社会福祉法人同愛記念病院財団同愛記念病院 臨床指標

◆臨床指標(クリニカルインディケーター)とは、病院の様々な機能を適切な指標を用いて表したものであり、これを分析し、改善することにより医療サービスの質の向上を図ることを目的とするものです。
◆平成28年度の診療報酬改正では、DPC制度(診断群分類による1日当たりの定額報酬制度)(注1*)
 に基づいたDPCデー タを公表することが義務付けられております。
   (注1)DPC(診断群分類別包括制度)は、DPC(Diagnosis Procedure Combination)の略で、
     医師が決定した主病名に基づき、入院患者さんの一連の医療行為を、国で定めた
     1日あたりの定額の点数から入院医療費を計算する制度です。
◆指標の主な定義
 ・平成27年度(平成27年4月~平成28年3月)に当院の一般病棟を退院された患者さんのデータが対象になります。
 ・厚生労働省へ提出しているDPCデータを基に作成しております。
 ・10未満の数値の場合は、-(ハイフン) を記入しています。(患者さんが特定される可能性があるためです。)
 ・DPC臨床指標の公開にあたり、医療機関ホームページガイドラインを遵守しております(補足1*)。
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 544 299 344 450 599 778 1560 2045 1202 253
平成27年度のDPC対象の全退院患者数は8,074人と、平成26年度と比べて1,410人増加しました。当院の入院患者さんは、60歳以上の占める割合が全体の62.7%で、70歳代にピークを認め、比較的高齢の患者さんが多くを占めております。比較的若い世代である40歳代以下は27.7%であり、その中では9歳以下の患者数が6.7%と、前年度と比較して絶対数および相対数共に増加傾向にあります。60から70歳代では、狭心症などの虚血性心疾患や泌尿器領域での炎症性・腫瘍性疾患、変形性関節症や骨折例が多く、80歳代以降では誤嚥性肺炎などの下気道炎症性疾患が増加する傾向が認められます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし - - - - -
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 処置2なし - - - - -
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 処等2なし 副傷病なし - - - - -
当科は、内科が各専門科に分かれたときにできました。その目的は、初診患者さんの待ち時間の短縮や院内各科との橋渡し・調整にあります。このため本来は外来を主体とする科目でありますが、境界領域の患者さんの入院待ち受けをする場合もあります。
平成27年度は、心不全・肺炎・誤嚥性肺炎が主体で、いずれも患者さんの訴えとしては呼吸困難であることが多く、診断の確定や併存状態の解消までの間は当科において診療する機会もあります。
誤嚥性肺炎は、肺炎の中でも食物・唾液等がうまく嚥下できずに気管から肺に流れ込むことで生じるもので、一般の菌やウイルスによる感染性の肺炎とは区別されています。ご高齢の場合に多くみられる疾患で、入院中であっても繰り返しやすく、入院期間はいずれも全国平均よりは長期となっています。
アレルギー科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 処置2なし 126 12.21 14.34 3.17 72.31
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 処等2なし 副傷病なし 55 21.24 20.16 12.73 87.25
040110xxxxx0xx 間質性肺炎  処置2なし 38 24.92 20.63 2.63 72.55
1.肺炎
肺炎は若年者から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんが罹患されています。主として空気中に漂う病原菌が呼吸により肺内に吸い込まれることにより感染が成立します。高齢者の死因として現在も増加傾向にあります。抗生物質の点滴が治療の中心となります。当院では発症当日、予約なしですぐにCTが撮影できます。加えて喀痰の顕微鏡検査なども当日中に速やかに行うことができますので、迅速に診断して治療を開始することが可能です。そのため平均在院日数は全国平均を下回っています。

2.誤嚥性肺炎
嚥下機能が衰えた高齢者や、脳血管疾患などで嚥下筋に障害がある患者さんなどに起きる肺炎です。食事の際に食物をむせてしまい、その結果異物が入った肺に炎症が起こります。近年の高齢化社会の中で、とみに増加している疾患です。治療は主として抗生物質の投与・必要に応じて酸素吸入などを行います。当院では地域の基幹病院として、近隣に在住の誤嚥性肺炎の患者さんを積極的に受け入れております。患者さんの平均年齢は約87歳と大変高いです。治療後にご病状が落ち着きましたら誤嚥の再発防止策を行い、自宅・老人ホームなどの施設へお戻りいただく手伝いをさせていただきます。

3.間質性肺炎
喫煙・大気汚染など様々な要因により、肺の構造物(スポンジ状の組織)に慢性の炎症が生じ、その結果肺組織が緩徐に硬くなっていく原因不明の疾患です。以前は稀な疾患でしたが、近年は国内に約11万人の患者さんがいるのではないかと推測されています。病気が進行すると労作時息切れが生じます。そのため酸素ボンベが自宅に必要となる患者さんもおられます(在宅酸素療法)。現時点で有効な治療薬はなく、進行を遅らせるお薬(抗線維化薬)があるのみです。当院では個々の患者さんのご病状に合わせて薬剤や酸素療法などでの適切な治療介入を導入することにより、患者さんの生活の質の向上に努めております。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 処置2なし 副傷病なし 78 6.76 6.17 6.41 0.00
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) 手術なし 処置2なし 69 5.41 5.72 0.00 2.93
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 処置1なし 64 1.11 2.63 0.00 8.94
1.低出生体重児
出生体重が2,500グラム未満の新生児のことです。早産や子宮発育不全などが原因になります。状態は赤ちゃんによってかなり異なります。1,000グラム以下のこともあれば2,499グラムでもこの定義に当てはまります。当科ではNICUを持つ新生児医療を行っていませんので、2,000グラム以上の比較的大きめの低出生体重児が中心です。退院の目安は2,300グラム以上または良好な哺乳です。

2.肺炎、気管支炎、細気管支炎
ウイルスや細菌、マイコプラズマといった病原により肺や気管支に炎症が起きる病気です。発熱、咳、痰がらみなどが生じます。乳幼児では重くなりやすく注意が必要です。当科では喘息の患者さんが多いという特徴があります。このために肺炎、気管支炎の治療と喘息発作治療を同時に行う傾向があります。

3.食物アレルギー
食物アレルギーは、食物により引き起こされる免疫学的機序により生じる身体に不利益な反応です。皮膚、呼吸器などの器官に様々な症状が起こります。多くは皮膚症状ですが、喘息発作やショックが起きることもあります。当科におけるアレルギー疾患の患者数は都内でも多く、食物アレルギーの診療にあたっても専門性をもってオーソドックスな治療を心懸けています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060040xx99x60x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 処置2-6あり 副傷病なし 155 3.99 4.51 0.00 66.59
060335xx0200xx 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術 処置1なし 処置2なし 63 6.43 7.84 0.00 53.16
060035xx99x00x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 副傷病なし 46 2.24 7.01 0.00 76.85
当科が扱う疾患は、ヘルニア、胆石症などの良性疾患から大腸癌、胃癌などの悪性疾患まで幅広く、対象とする臓器は、胃、大腸、肝、胆、膵、乳腺と広範囲にわたっています。手術の特徴としては、低侵襲手術としての腹腔鏡手術や内視鏡治療を積極的に行っています。また、当科では手術だけでなく、診断から手術、術後のフォローアップ、化学療法までを一貫して行っています。特に手術前後の抗癌剤治療には力を入れており、根治的手術の達成、再発リスクの減少を目指しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。)  腱縫合術等 138 14.34 11.98 0.00 25.00
07040xxx01xx0x 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)  人工関節置換術等 副傷病なし 93 32.62 24.95 0.00 68.29
070050xx97xx0x 肩関節炎、肩の障害(その他) 手術あり 副傷病なし 74 29.61 24.74 0.00 69.57
当科では変形性股関節症に対する人工股関節置換術や肩腱板断裂に対する関節鏡下での肩腱板断裂修復術、前十字靭帯損傷(ACL損傷)に対する関節鏡下靭帯再建術を多く行っています。前十字靭帯損傷はスポーツでしばしばみられる外傷で、膝の安定性が悪くなり、膝崩れ現象などが生じます。股関節は骨盤と大腿骨を結ぶ関節ですが、変形性股関節症になりやすい患者さんでは骨盤側のくぼみが浅く、次第に軟骨がすり減ってきて関節の変形が生じます。症状は、股関節や大腿部の痛みと、歩行障害です。肩腱板断裂は肩甲骨と上腕骨を結ぶスジが年齢とともに弱くなり、打撲や転倒などで断裂が生じます。夜間痛がみられ、痛みで目覚めてしまうなどの症状がみられ、スムーズな肩の運動が障害されます。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術 処置1なし 処置2なし - - - - -
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 処置1なし 副傷病なし - - - - -
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 処置2なし - - - - -
当科では顔面をはじめとした体表面の変形、腫瘍を幅広く治療しています。入院病名では鼻骨骨折,良性軟部腫瘍(脂肪腫など)、眼瞼下垂が上位となります。なお、眼瞼下垂に関しては挙筋前転法の手術を行う場合は原則入院治療で行っていますが、その他の術式は外来局所麻酔で行っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120140xxxxxxxx 流産 64 2.03 2.34 0.00 34.64
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 33 10.67 10.18 0.00 47.45
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病  手術なし 27 3.11 6.01 0.00 34.63
流産は全妊娠の約15%に見られ、それ故当科においては年間を通じて症例数が最も多くなりました。子宮の良性腫瘍は主に子宮筋腫、子宮腺筋症が対象になります。妊娠中の糖尿病は、妊婦検診中に糖尿病負荷試験を行い,診断されます。判明した場合は、治療方針を決めるため、日内血糖変動をみる目的で検査入院となります。血糖値によって食事療法(栄養指導)か、あるいは内科専門外来受診を経てインスリン導入になるケースもあります。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害  手術なし 57 5.21 5.31 0.00 62.95
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎  手術なし 51 4.86 5.53 0.00 38.29
030240xx01xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎  扁桃周囲膿瘍切開術等 30 5.60 7.27 0.00 32.97
めまいや急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍などにより起立困難や経口摂取困難な状況からの脱水を伴い、救急搬送や近医からの入院要請による入院患者さんが多くを占めます。めまいには内耳性めまいの他、脳梗塞や脳出血などの頭蓋内疾患、不整脈や出血に伴う貧血などの緊急性を要する病態もあり、それら疾患との迅速な鑑別や他科との連携が必要となります。急性扁桃炎は扁桃腺の細菌やウイルス感染による炎症性疾患であり、細菌感染を原因とする多くの例では通院での抗菌薬の内服加療で治癒しますが、内服薬では十分な効果が得られず、咽頭部痛や発熱が増悪する例、ウイルス感染のため症状の緩和のみの治療とならざるを得ず症状が持続する例、咽喉頭の浮腫から呼吸苦を伴う例では入院加療が必要となります。また、扁桃腺の周りに膿が貯まり開口障害や嚥下障害、呼吸苦を伴う扁桃周囲膿瘍では、入院の上、外科的処置(切開排膿術)を要します。こうした急性期病態に対しても、当院では積極的に対応しており、平均在院日数も全国平均と比較して短期間での治療となっております。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 80 8.14 8.97 0.00 69.18
080011xx99xxxx 急性膿皮症  手術なし 34 9.53 11.79 0.00 61.44
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物  皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 処置なし - - - - -
当科では皮膚腫瘍や皮膚炎など、ほぼ全ての皮膚疾患に対応しており、可能な限り外来のみで完結する治療を心懸けています。しかし、蜂窩織炎、丹毒などの急性膿皮症、あるいは帯状疱疹の中で内服治療では難治で合併症の恐れがある場合は入院加療としています。皮膚腫瘍についても、大きさ・部位により必要と判断されれば入院にて外科的治療を行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx020x0x 上部尿路疾患  経尿道的尿路結石除去術等 処置1なし 副傷病なし 246 5.28 5.91 0.00 57.99
110070xx02020x 膀胱腫瘍  膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 処置1なし 手術・処置2-2あり 副傷病なし 106 7.41 8.02 0.00 70.93
110420xx97xx0x 水腎症(その他) その他の手術あり  副傷病なし 75 4.81 5.49 2.67 67.20
当科の症例で最も多いのは尿路結石に対する内視鏡治療です。主にレーザーを用いた破砕とバスケット鉗子による抽石を行って結石による閉塞を解除する手術です。次に多く行われているのは表在性膀胱腫瘍に対する経尿道的に切除する手術です。膀胱がんは再発し易い疾患であり、進行がんに進展しない限り再発時には経尿道的手術と膀胱内薬物注入療法を行っています。3番目は何らかの原因によって尿路に閉塞をきたした水腎症に対して尿路ステントを挿入する手術です。尿路感染や激しい痛み、腎機能障害をきたすために地域の基幹病院として他院からの要請に応じた緊急手術も多く行われています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 処置等1-1あり 処置2なし 副傷病なし 180 2.91 3.07 1.11 66.77
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患  経皮的冠動脈形成術等 処置等1-なし、1,2あり 処置2なし 副傷病なし 157 3.50 4.87 0.00 70.66
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞  その他の手術あり 処置1-なし、1あり 手術・処置2なし 副傷病なし 77 8.12 13.26 0.00 66.91
心臓は、全身に血液を循環させるポンプの働きをしている臓器です。狭心症や心筋梗塞は心臓に栄養や酸素を供給している冠動脈という血管が、動脈硬化により狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして血液の流れが悪くなり、心臓に栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなる疾患です。狭心症では、心臓の筋肉の血流不足によって胸苦しさや息苦しさが出現し、心臓の筋肉に血流が行かなくなった状態が心筋梗塞であり、心臓のポンプ機能が低下する結果、命に関わる危険な状況に置かれるため、緊急なる診断および治療が必要です。当院は、東京CCUネットワーク加盟施設として、24時間体制で狭心症や急性心筋梗塞に対するカテーテル検査や治療を行っております。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2-4あり 副傷病なし 52 20.06 17.69 1.92 68.02
130010xx97x2xx 急性白血病  手術あり 処置2-2あり 20 42.70 43.59 0.00 74.35
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群 手術あり 処置2-4あり 副傷病なし 15 26.73 23.04 0.00 74.47
当院の入院症例は、悪性リンパ腫、白血病、骨髄異形性症候群などの悪性疾患が多くを占めます。初回の化学療法は、副作用や効果を把握するため入院加療が原則となります。悪性リンパ腫は2コース目から外来通院加療となり、白血病は完全寛解(正常造血能回復、白血病細胞の駆逐)を目指します。また骨髄異形成症候群は病勢悪化傾向のある症例への脱メチル化剤の導入や輸血、感染症治療など支持療法も行い、外来通院に繋げます。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎  限局性腹腔膿瘍手術等 処置2なし 副傷病なし 26 6.42 10.93 3.85 69.73
060100xx03xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術  副傷病なし 21 3.19 2.76 0.00 61.67
060350xx99x0xx 急性膵炎 手術なし 処置2なし 16 7.63 12.27 6.25 54.69
当科に入院する患者さんの中でも最も多い病気は、総胆管結石の治療症例です。胆汁の流れ道である胆管に結石ができて胆汁の流れが悪くなり、黄疸になったり、細菌が感染して胆管炎を合併することがあり、腹痛の場所から単なる胃炎や胃潰瘍などと間違えられやすい病気です。胃薬では改善せず、悪化すると命にも関わることがあります。内視鏡的治療をまず優先して施行しています(ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)といいます)。胆管の出口を広げた上で結石を取り出したり、貯まった胆汁を流し出すチューブをいれることもあります。内視鏡的治療が困難な場合には、エコーを見ながら体の外から胆管や胆のうにチューブを入れて貯まった胆汁を流し出す方法(PTCD(経皮経肝的胆道ドレナージ)・PTGBD(経皮経肝的胆のうドレナージ))に切り替えたり、外科的な対応を考慮することもあります。
次に多い病気は大腸ポリープです。早期のがんや腺腫などの前がん病変が対象に含まれます。まず内視鏡的切除を試みます(EMR(内視鏡的粘膜切除術))が、深くまで進行したがんは、手術適応となり、外科に紹介しています。ほとんどの症例が合併症なく退院されますが、大きなポリープでは出血する可能性があるため、1泊の入院で経過観察を行い、翌日何もなかったことを確認の上、退院して頂いています。心筋梗塞や脳梗塞・不整脈などで抗血栓薬(血をサラサラにする薬)を飲んでいる患者さんも多く、出血の危険性が高いケースにも柔軟に対応しています。
3番目に多い病気は急性膵炎です。胆石が原因で膵炎になるケースでは、総胆管結石と同様に、内視鏡治療(ERCP)を行います。アルコール性の膵炎が比較的多く、高脂血症に伴うケースや自己免疫性膵炎(自分の膵臓を攻撃する抗体ができている)、薬剤などが原因のこともあります。集中治療が必要な命に関わる重症例もあります。再発することも多く、退院後も適切な生活指導を行っています。
糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xxxxxxxx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 96 14.61 15.35 0.00 66.57
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 処置2なし - - - - -
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 処置2なし 副傷病なし - - - - -
当科は2型糖尿病の患者さんを中心に、1型糖尿病や妊娠糖尿病など様々なタイプの糖尿病の入院診療を行っています。主に教育入院や手術前の血糖コントロールを目的とした入院が多数を占めますが、そのほかにも様々な糖尿病合併症、特に重症感染症(肺炎など)やインスリン欠乏によって急激に血糖値が上がり、過呼吸や意識障害を引き起こすケトアシドーシスといった生命にかかわる重症合併症で入院する患者さんも少なくありません。糖尿病の合併症は知識さえあれば防げるものが多く、そうした意味でも教育入院を多くの患者さんにお勧めしております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 10 16 24 42 - - 1 7
大腸癌 22 53 46 185 - 55 1 7
乳癌 12 25 - - - - 1 7
肺癌 - - - 24 - - 1 7
肝癌 - - - - 12 - 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
初発5大がんとのUICC病期分類別ならびに再発患者数の集計方法と定義
定義:5大がんと呼ばれる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの患者さんの数を、「初発」のUICCのTNMからしめされる病期分類別、および再発に分けて集計しています。UICCのTNM病期分類とは、国際対がん連合によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つのカテゴリによって各がんをⅠ期(早期)からⅣ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。平成27年度に退院した患者さんを集計し、集計対象期間中に複数回入院された患者さんはそれぞれ集計をしております。「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて患者を診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。

特徴:5大がんの中では大腸がんや胃がんなどの消化器がんが多く、胃がんではStageⅢ・Ⅳの進行がんの割合が多いことがわかります。低侵襲手術としての腹腔鏡手術や内視鏡治療を積極的に行い、再発リスク減少を目指します。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 15 10.47 52.27
重症度 1 30 34.00 79.07
重症度 2 23 13.83 82.30
重症度 3 - - -
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
成人市中肺炎の重症度(注1*)別患者数の集計方法を定義
市中肺炎の定義として、DPCデータの入院契機病名および最も医療資源を投入した傷病名が肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎であって、その中でもICD-10コード(注2*)がJ13~J18(肺炎レンサ球菌による肺炎、インフルエンザ球菌による肺炎、その他の肺炎)で始まるものとしています。
(注1*)肺炎の重症度とは 重症度の判定【引用元】:成人市中肺炎診療ガイドライン 日本呼吸器学会「呼吸器感染症に関するガイドライン」
使用する指標
1.男性70歳以上、女性75歳以上
2.BUN21mg/dLまたは脱水あり
3.SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
4.意識障害
5.血圧(収縮期)90mmHg以下
(注2*)ICD10とは 「疾病および関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下「ICD」と略す)とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。【引用元:厚生労働省HP 疾病、傷害及び死因の統計分類】

特徴 :症例数では中等症を示す重症度1、重症度2の割合が最も多く、全体の約8割を占めております。
平均年齢では軽症である重症度0は50歳代ですが、中等症(重症度1、2)では80歳代と高齢になっており、成人市中肺炎は高齢になるほど重症化しやすいことが推定されます。
平均在院日数については、重症度ではなく、患者要因も影響していると考えられ、特に、合併症がある患者さんの場合は、軽症の肺炎でも入院治療の適応となる場合が多くなります。
治療では急性呼吸不全の管理、適切な抗菌薬投与が中心です。重症例では酸素呼吸や人工呼吸管理(人工呼吸器、NPPV,ネイザル・ハイフロー等)が必要となることもあります。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
脳梗塞のICD10(注1*)別患者数の集計方法と定義
医療資源を最も投入した傷病名が脳の虚血性疾患の患者さんを対象として、その発症から入院までの日数別に患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示しております。
(注1*)ICD10とは 「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problem(以下「ICD」と略)とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。

特徴:平成27年度脳虚血性疾患の患者総数は19名で発症3日目以内の急性期脳梗塞の患者さんが全体の68%を占めています。当院では神経内科医や脳神経外科医の常勤医が不在であるため、脳梗塞等の診断後は速やかに脳血管内治療専門医の常駐する基幹病院との連携をはかり、治療を行っております。このため転院率が38%と比較的高い値を示しております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) - - - - -
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) - - - - -
入院中に、下肢の深部静脈血栓症や冠動脈疾患にて加療が必要なケースでは、遅滞なく循環器内科と連携し血管拡張術や経皮的冠動脈ステント留置術を行っております。
アレルギー科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K331 鼻腔粘膜焼灼術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
当科には嚥下性肺炎にて入院する患者さんも多く、肺炎の治療を平行して以後の食生活の指針を構築するため、嚥下機能評価を行っております。嚥下機能検査結果を踏まえ、嚥下機能障害に伴う誤嚥性肺炎の再燃や窒息の危険性が高いケースでは、経皮的内視鏡下胃瘻造設術も選択の一つとして考慮しております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 155 0.52 1.08 0.00 70.17
K6335 鼠径ヘルニア手術 80 1.49 2.71 0.00 69.43
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 70 1.66 4.70 0.00 53.84
腹腔鏡手術:腹部に5~12mm程度の穴を数カ所開けて、そこから腹腔鏡(内視鏡の一種)や鉗子など専用の手術器具を挿入し、モニターに映し出される画像を見ながら手術を行う方法です。切除した検体は、多くの場合臍の創を数cm拡大し摘出します。通常の開腹手術よりも患者の身体的負担が少なく、回復も早く、低侵襲とされています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 93 2.98 29.37 1.08 68.24
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) 89 1.66 25.88 0.00 67.39
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 84 2.10 17.86 0.00 23.82
股関節の軟骨がすり減り、股関節を構成する骨にも変形が生じると、痛みのため歩行が困難となり日常生活に支障をきたします。人工股関節置換術を行うことにより、痛みから解放され、股関節の動き自体もよくなり、歩けるようになります。肩の障害では肩腱板断裂が多くみられます。関節鏡下での低侵襲手術により断裂した腱板を修復すると、肩周囲の痛みが消退し、腕がスムーズに上がるようになります。膝の外傷では、前十字靭帯損傷を主に治療しています。サッカー、ラグビーや柔道選手では、しばしば前十字靭帯を損傷したことで競技人生が送れなくなってしまうケースもあります。このような患者さんに対し、靭帯を関節鏡下に低侵襲で再建することにより、膝関節が安定し競技復帰が可能になります。当科ではこのように患者さんの生活の質の向上を目指しています。またスポーツ選手に対しては手術後のリハビリテーション計画をしっかり立て、競技復帰まできめ細かいケアーを行っています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) - - - - -
K6171 下肢静脈瘤手術(抜去切除術) - - - - -
K013-22 全層植皮術(25cm2以上100cm2未満) - - - - -
当科の入院手術は、体表面の変形、皮膚腫瘍・潰瘍を主として幅広く行っていますが、症例数の上位は良性軟部腫瘍摘出、下肢静脈瘤のストリッピング術、難治性創傷のデブリードマン後などに対する植皮術です。また、重症虚血肢の患者さんの場合は、当院循環器内科に入院して合併症の管理をしながら当科で手術を行うため上記リストに含まれませんが、足切断または腐骨摘出術だけで24例と最大数になります。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 54 0.87 0.17 0.00 34.80
K877 子宮全摘術 32 1.31 8.59 0.00 50.13
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両)(開腹) 28 1.00 7.64 0.00 46.00
流産の年間入院数が最も多いため、静脈麻酔下での流産手術が最多となっております。次に多い子宮全摘術は、主に子宮筋腫や子宮腺筋症が対象で、全身麻酔下に行います。手術前日入院、術後8日目に退院となります。3番目は子宮付属器腫瘍摘出術(開腹)です。対象は主に良性卵巣腫瘍(子宮内膜性囊胞、皮様嚢腫等)で、入院日数は子宮全摘と同様です。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 30 0.13 4.47 0.00 32.97
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 26 1.08 7.12 0.00 23.19
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 14 1.21 5.00 0.00 50.71
当科の特色として、扁桃周囲膿瘍での入院加療を目的とした紹介受診が多く、このため扁桃周囲膿瘍切開術の件数が多い傾向にあります。重度の急性扁桃炎にて入院加療が必要となる患者さんも多く、急性扁桃炎を繰り返す例、扁桃肥大に起因する閉塞性睡眠時無呼吸症候群や鼾を訴える小児に対しては、手術適応を検討した上で口蓋扁桃摘出術を行っております。また、慢性鼻副腔炎や副鼻腔真菌症に対しては、従来から安全かつ効率的に手術を行うため、内視鏡観察下に手術操作を行っております。術後の鼻内ガーゼ抜去時の疼痛を軽減すべく、綿状の医療用材料を使用しております。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - - - - -
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - - - - -
皮膚は様々な組織で形成されていますので、皮膚腫瘍もその由来は多岐にわたります。当科では画像検査や組織検査などにより正確な診断をまず行い、皮膚悪性腫瘍であれば臨床的な病期分類をした後に、必要かつ最小限での外科的治療を施行します。術後の合併症の恐れがあると判断された場合は入院で行います。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 260 1.44 3.59 0.00 58.46
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 160 1.56 6.10 0.00 71.24
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 159 0.73 6.69 5.03 66.12
当科の症例で最も多いのは尿路結石に対する内視鏡治療です。Ho-YAGレーザーを用いた破砕術以外にも体外衝撃波による結石破砕術も行っております。次に多く行われているのは表在性膀胱腫瘍に対する経尿道的切除術で、合併症の発生が低い生理食塩水を用いた切除方式を採用しています。3番目は主に尿路結石や悪性腫瘍等が原因となって尿路が閉塞して腎機能が悪化する水腎症に対して行う尿路ステント留置術です。尿路感染による敗血症や結石による疝痛発作、腎機能障害に早急に対応するため、地域の基幹病院として他院からの要請に応じた入院加療や当日の緊急手術も数多く実施しております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 180 1.69 2.72 1.67 70.61
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 80 1.94 4.59 1.25 72.63
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 68 0.10 11.78 1.47 67.28
狭心症や心筋梗塞では心臓に栄養や酸素を供給している冠動脈という血管が、動脈硬化により狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして血液の流れが悪くなり、心臓に栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなる疾患です。治療には、この狭窄ないしは閉塞した冠動脈を再度広げ十分な血流を回復させることが必要となります。また手や足の血管が、同様に狭窄や閉塞を起こして血流が悪くなることで、手足が痛くなったり、冷たくなったり、傷ができてしまう末梢動脈疾患や重症下肢虚血といった疾患も、循環器内科が取り扱う重要な疾患です。これらに対する治療として、手や足の付け根からカテーテルという管を挿入し、バルーンという風船で血管の狭窄部位を拡張したり、ステントという金網を狭窄部位に留置して血流の回復をはかるカテーテル治療を行っております。当院における狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療は年間300件を越え、下肢動脈狭窄に対するカテーテル治療も年間100件を越える状況であり、共に良好な治療成績を得ております。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) - - - - -
自己末梢血幹細胞移植
血液を構成する白血球、赤血球、血小板の全ての細胞を作り出す源の細胞を造血幹細胞と言います。造血幹細胞は主に骨髄中に含まれますが僅かに末梢血中にも存在し、抗がん剤療法や造血因子使用後に末梢血でも増量します。抗がん剤療法後の末梢血造血幹細胞が増えている一定の時期に、血液から血液分離装置を介して末梢血造血幹細胞を分離採取し、凍結保存します。白血病や悪性リンパ腫治療において抗がん効果をより高めるために抗がん剤を大量に使用することが求められるケースでは、その際の骨髄抑制副作用も増大することから生命に影響することが予測されます。こうした副作用軽減を目的に、凍結保存しておいた自己末梢血造血幹細胞を移植(輸血)する方法です。当院でも自己末梢血幹細胞採取が可能となり、治療適応を考慮しつつ行っております。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 184 0.32 1.05 0.00 66.98
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 36 2.75 13.72 2.78 75.19
K6871 内視鏡的乳頭拡張術 - - - - -
当科で最も多い手術(内科的処置)は、大腸の内視鏡的ポリープ・粘膜切除術です。観察時には色素内視鏡や拡大内視鏡でのポリープの質的診断を行い、切除の適応を決定します。心筋梗塞や脳梗塞・不整脈などで抗血栓薬内服中の患者さんも多く、出血の危険性が高いケースも柔軟に対応しています。
次に多いのが、内視鏡的胆道ステント留置術です。胆道閉塞をきたした症例(またはその予防)に対して行われますが、総胆管結石や慢性膵炎などの良性疾患、肝胆膵の悪性腫瘍(がん)が対象となります。良性疾患では安価で着脱可能なプラスチックステントが、がんでは診断がつくまで(または手術までの減黄目的の症例)はプラスチクステントを、診断がついた後で恒久的な減黄が必要な症例には金属ステントを留置します。特に、化学療法を施行する肝胆膵のがん症例では、化学療法中の胆管炎合併は致死的になり得るため、胆道ドレナージを適切に行うことが前提であり、胆道ステント留置により、安全に化学療法を継続することが可能となっています。複数本の留置や複雑な症例にも対応しています。
3番目に多いのが、内視鏡的乳頭拡張術です。総胆管結石などの症例で施行します。出血や穿孔・膵炎などのリスクもありますが、当科では重大な合併症は少なく安全に施行しております。
糖尿病内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K0842 四肢切断術(下腿) - - - - -
K0131 分層植皮術(25cm2未満) - - - - -
当科単独での外科的治療は行っておりませんが、糖尿病の合併症として足壊疽で入院する患者さんは少なくないため、病状によっては形成外科等に手術を依頼し、壊死した組織を取り除いて、そこに別の場所から採取した皮膚を移植するなどの処置をします。重症の場合はやむを得ず下肢の切断が必要となることもあります。また、特に高齢の糖尿病患者さんには脳梗塞の合併が多く、その結果嚥下困難となり、口からの食事摂取ができなくなった場合は、胃に直接栄養を送り込むためのチューブ(胃瘻)を造設することがあります(消化器内科または外科に依頼します)。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 32 0.38
180010 敗血症 同一 - -
異なる 34 0.41
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 47 0.58
異なる 12 0.15
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)の集計方法と定義
定義:医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロになりえないものの少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である播種性血管内凝固症候群(DIC)(注1*)、敗血症(注2*)、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症について、入院契機病名(DPC6桁レベル)の同一性の有無を区別して症例数と発生率を示しています。
(注1*)DIC(播種性血管内凝固症候群)とは、凝固系(血液が固まろうとする作用)が亢進し、全身の細小血管内に微小血栓が多発して臓器障害(肝不全、腎機能障害等)が起こる病態。これにともなって凝固因子血小板が大量に消費されて減少し、また線溶系(血液が溶けようとする作用)も亢進するため、出血傾向が出現したりする。原因となる基礎疾患には悪性腫瘍や敗血症が多い。
(注2*)敗血症とは、細菌感染によって引き起こされる全身性炎症反応である。

補足 : 播種性血管内凝固症候群は、感染症、悪性腫瘍、産科的疾患など、何らかの基礎疾患があって生じるが、平成27年度では32例(0.38%)に発症した。その基礎疾患として尿路結石から急性腎盂腎炎、急性骨髄性白血病などの血液腫瘍や消化器がん、肺炎や膿瘍疾患が主な原因でした。
敗血症をきたした34例では、原因と考えられる感染巣が明確であったものが22例で、尿路感染症、肺炎、消化管穿孔に伴う腹膜炎や四肢末端の阻血性壊死巣からの感染が大半を占めておりました。
その他真菌感染症は、平成27年度は10名未満でしたので、上記一覧表には記載がありません。
手術・処置等の合併症が59例認められましたが、人工関節置換術後の緩みや胆管・冠動脈ステントの閉塞といった経年的変化に対して入院加療を施行した30例が大半を占めておりました。その他、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除などによる術後出血が12例に認められましたが、何れも軽微なもので止血は容易でありました。10例に術後感染を生じましたが、その大半は術後7日以後に発生しており、軽微な処置にて対応可能でした。
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